人間、この世界に生まれ落ちて
生き抜いていくために、多かれ少なかれ、
元々持っていたものを閉ざしたり、
持っていなかったものを無理やり、
或いは頑張って獲得しながら
社会に適応していきます。
そうして、時代時代に合わせて
必要だったものが必要で無くなったり、
傷を負って壊れたり、成長したり、
様々に変化しながら、今のその人の姿が
出来上がっています。
感情解放のセッションで
良く取り組むのが、かつて
サバイバルな状況を生き抜くために
構築したけれども、
今ではそれが故に、
うまく力を発揮できなかったり
様々な機能不全の原因となっている
ところを外していくことです。
中でも多いのは、
本当は感じている感情や感覚を
ブロックして無いことにしていたり、
自分の力を封印して、
依存的に振る舞うようにして
共依存状態になっていたり
といったケースです。
そのようにして、自分を見失い、
本当は持っているはずの力も忘れ、
無力感や無価値観に苛まれて
いたりします。
こうした状況に取り組んで
封印した感覚を開いたり、
依存をやめようとするとき、
覚えておいてほしいのは、
感覚を開いて取り戻すなら、
開いても大丈夫な自分である
必要があるし、
依存を止めたければ、
依存しないでも自力でこの世界に
立っていられる自分である
必要があるということです。
今の自分から、そのようにしよう
と思ったときに、恐かったり
抵抗があったりすると思います。
クリアすべきは、
その恐れや抵抗なんですね。
それらに向き合い切っていく
意志や気力があるかどうか。
ここが問題なのです。
感じる感覚を開きたいとか、
依存を止めたいとは思うけれど、
感じる諸々を受け止められる自分
になりたいとは思っていない人や、
この世界に自分の足で立つことへの
恐れに向き合う認識がない人もいます。
これらが同じこと、そのプロセスに
あることだと認識できていないと、
いつまで経っても、その願いは
現実世界に降りては来ません。
絵に描いた餅を眺めながら、
～したい、そうなりたい、
と呟くことに時間を費やします。
感じても、自分でそれを受け止め、
消化・昇華し、現実に対処できるとか、
他者をコントロールし、貪らなくても
自分でこの世界にしっかり向き合い、
行動できるとか、
そのどこに自分が引っかかっているのか、
恐れや不安で身動きが取れなくなるのか、
一歩踏み込んで見つめてみましょう。
固まってしまうまさにその部分が、
感情に飲み込まれているところなので、
そこで自分から離れずに、浮上している
感情の嵐を受け止められれば良いわけです。
それができれば、少しずつ、以前は
動けなかった場面で動けるようになり、
できなかったことができるように
なっていきます。
今まで見えなかった扉が見えてきたり、
手が届かなかったものにも
触れられたりして、見えてくる世界が
変わっていくでしょう。
そうしたときに、慣れ親しんだ古い世界を
後にして、新たな世界にさらに足を
踏み出していく勇気があるかどうか。
自分の中の、古い世界が壊れていく
恐れや不安、未練を受け止め、
新たな世界に向き合っていく力を
自身の内に見出していくことが
大事です。
変化していく自分や世界を感じ、
受け止めながら、自分の中にあった
力や資質に気付いていくことを、
どうぞ楽しんで歩めますように。
人生のあらゆるところに
受け取られることを待っている
宝があることを、知っていてください。