今日は、
クライアントさんからご質問をお受けし、
ブログでお答えさせていただくことで
構わないとのことでしたので、
書いてみます。
この方は、
＞誰しもが、何か自分に向いている事を
＞一生懸命にやる事で、充実感が味わえるのだ
＞と思っていたので、自分に合っているもの、
＞本当にやりたい事をずっと
＞探し続けて来たのですが…。
とおっしゃいます。
それさえ見つけられれば、
迷うことなくそれについて努力できるし、
そうしたら人生も開けてくるはず、
というように考えておられるのです。
実際この方は、凝り性のところもあり、
様々な分野に興味を持って学ばれ、
とても多才な方でもあります。
けれど、ご自分ではどれも中途半端で
「何者でもない自分」に葛藤を
抱いておられました。
世の中には、このように考える方は
多いのではないかと思います。
確かにそれも一理はあるし、
そういうことを見つけて、
喜びに満ちた充実した人生を
歩める人はいると思います。
けれど、
今この方がやりたかったこと、
好きなことを見つけたとしても、
その在り方だと、多分これまでと
同じようになるだろうと思います。
最初は、これがやりたかったんだ！
とワクワクしながら打ち込んで、
それなりに上達もしていくでしょう。
けれど、ある段階に至ると、
その興奮も落ち着いてきて、
当初ほどのワクワクもなくなっていくし、
様々なレベルの壁にぶち当たって、
迷いが生じてくる。
その世界で生きていくにも、
業界的に様々な壁や条件があって
それを越えて行くのもなかなかに
難しい。
この道では自分は無理なんじゃないか。
自分が行くべき本当の道は、これでは
なかったかもしれない。と思って
他を探し出す。
別にそれが悪いと言っている
わけではありません。
世の中には、
たくさんの仕事を経験して
そこから自分の事業を興し、
成功している方もいらっしゃいます。
それならそれで、
自分の道を見つけるまで
絶対にそれはあると信じて
突き詰めて行ったらいいのです。
けれど、ピンポイントで
その道を一本釣りをしようとする人は、
往々にして、その道で突き抜けていく
在り方ができていない、と私は感じます。
自分の道が見つかったら、
後は順風満帆にすべてがうまく行く
わけではありません。
本物の道だからこそ、
自分の未熟さ、弱さ、ズルさを
ゴリゴリと削られ、人並み以上の
地獄を見ることだってあります。
それでも、
それが自分の道だからこそ、
逃げることができないし、
それを昇華させていくしかないのです。
そういう地獄を、突き抜けていく
意識があるのかな、と思うのです。
今はまだ自分の道が見つかっていないから
定まらないのだ、本当の道なら、
きっと越えて行けるはず、と思うなら、
その意識では難しいと思います。
これではなく、何かもっと別のもの、
と探している意識は、この文脈においては
目の前の何か苦しいことから逃げている
からです。
まずはその目の前の逃げていることを
昇華させる在り方ができてからの話、
と思います。
本当の道は、身悶えするくらいに
辛い道のりを行かなければいけないことも
あるけれど、
それを辛抱、努力して抜けると、
そこからぐっと明るい道のりが開いてきて、
喜びを味わえるようになってきます。
なぜそれが自分がこの道を行くのかも
わかってくるでしょう。
それまで、たくさんたくさん迷い、悩み、
自分にとって道とは何なのか、
問い続けていきます。
まぁ、その段階段階で生涯、
問いは続いていくでしょうけれど。
努力していく中で、
ふと自分の深いところから、
ここもそろそろ潮時だな、次に行こう
と感じて、別の分野に移ることも
あるでしょう。
でも、その時やっていたことが
自分の道でなかったかと言えば、
そうではありません。
それも本当の自分の道だし、
その次の分野も、本当の道なのです。
道というのは、やっていることではなく、
それを通してどう在ったか、
ということの軌跡が道になるのです。
突き詰めて言えば、
今やっていることを通してどう在るか
の探求が自分のやるべきことで、
魂の充足は、その在り様を通して
生まれてくるもの。
どう在るか、
ということへの意識が無いまま
何をやっても、ものにはならないと
私は思います。
手段に固執する意識からは、
このようにして生まれる
魂の充足の景色は見えません。
だから深まらない。
求めるべきものを見誤る。
まずは、
目の前の現実がいかなるものであろうと
深く向き合うこと。
ここからかな、と思います。