私は頻繁に、
ハートの声を聞くとか、
ハートの導きに従う、
ということを言います。
サロンにお見えになる
クライアントさんたちを拝見していて
思うのは、そう言われるまで、
そんなことを意識したこともなかった
という方がすごく多いです。
そもそも、聞こうとしたこともないのだから、
言われても、どうやって聞いたらいいのか
わからないんですね。
ハートに心を澄ませても、
シ～ンとするばかりで
全く何も感じ取れない人も
少なくないですし、
ハートの声に心を澄ませているようで、
頭でう～んと考えていることもあります。
そもそも、マインドの声とハートの声の
区別がつかない状態から、
ハートの声の聞き方をレクチャー
していくのですが、すんなり
身に付く方もあれば、
随分レクチャーしても、
しばしばマインドの声を混入させていて
かなり怪しい聞き方がなかなか
修正できない人もいます。
ただ、一度ハートの声の真実の響きが
肚落ちすれば、それ以降は、
間違うことはほぼないでしょう。
欲の声が混じれば、
たとえその時、それで判断を間違えても、
後で改めて振り返ってみれば、
あ、これはハートじゃなかったな、
とわかるはずです。
ひとつ、ハートの声について
誤解されているというか、
混同されていることについて
念押ししておきたいのは、
たとえ世間的、道徳的に立派だとか
正しいと言われる価値観に基づく
信念であったとしても、
それはハートの声とは別物である、
ということです。
信念はどこまで行っても
マインド領域のもので、
たまたまそれがハートの声と一致
することはあっても、
高尚な信念であったからといって、
ハートの導きと必ずしも一致している
とは言えないのです。
私は、ハートの声はあらゆる価値観や
信念、願いよりも、最優先に従うべき
人生の指針だと思っているのですが、
たとえどれだけその信念が高尚であっても、
周囲の人から期待されていたり
自分の価値を上げ、利益がありそうに
思えても、
ハートの声がNOのサインを下したものは、
後で必ず不成就の憂き目に遭うからです。
これは私の経験でも100％そうで、
どれだけ誤魔化し、取り繕っても
方向転換されるまでは、その方向では
挽回されることはありません。
ハートの声を聞き始めて最初の頃は、
自分の望みと違う方向を
ハートが指し示した時、
私はしばしば、恐れや欲望に負けて
それがハートの忠告に反すると
わかっていながら、何度か、
欲の声に従ったことがありました。
結果はやっぱり良い結果にはならず、
どんなに欲望の声が騒ぎ立てても、
以後は絶対にハートが自分の従うべき
指針である、と決めたのでした。
このように優先順位をピタッと定めるには、
人に言われたから、ではなかなか
難しいでしょう。
自分で経験して、納得できないと、
どうしても別の引力のより強い声に
負けてしまうでしょう。
ハートの導きに従うというのは、
自分自身の真実に従う
ということとイコールです。
それはすなわち、
どんなに人間目線で見て、
都合の悪い自分であろうとも、
そんな自分を認め、
まるごと受け入れて生きる
ということです。
つまり、ドロドロした憎しみや怒り、
醜い嫉妬、弱い側面、ズルさなど、
そうあって欲しくない自分でも、
否定、分離、隔離して
無かったことにしない、
受け止め、統合昇華させていく
生き方をするのです。
そのように生きたとき、
人生は丸ごと調和し始めます。
あらゆる人生の苦しみ、不調和が
小手先ではない根本的な調和に向かって
再構築されていくのです。
その再生のプロセスには、
しばしば恐れや混乱があるでしょうが、
不自然に固め、取り繕ったものを
壊し、脱ぎ去らなければ、
新しい在り方には至れないのです。
こうした真実の調和へのプロセスに
進むのを恐れ、抵抗する人は、
しばしば、それまでの自分に
ある種の正しさや価値を見出している
方に多いような気がします。
他者からの称賛や評価、
それによって守られている自分の
ポジションなどがあると、
手放し難いのですね。
その人の得ている気づきの段階や
状況によって、様々な選択が
ありますが、
遅かれ早かれ、
ハートの導きに従う以外に
自分の生きる道はない、
と心底理解する日が来るでしょう。
自分自身の、オリジナルの
真実の道を歩まれますように。