誰しも、人生の中で
人に騙されたり裏切られたり
という経験が、一度や二度は、
あるのではないでしょうか。
まず、感情解放ワークの視点で
言えるのは、騙す人も騙される人も、
ともに、自分を大事にしていない
人であるということです。
お馴染みの鏡の法則から言うと、
騙された人は、自分を騙した人と
同じ眼差しで自分や他者を見て、
全く同じ動機でそういう行為に
及んでいる、と言えます。
たとえば、騙した人があなたのことを
単なる金づるや駒としてしか見ておらず、
利用価値がなくなれば
さっさと切り捨てるべき存在と
見ているとしたら、あなたも、
他者や自分をそのように見ている
ということなのです。
そう言われたら、ショックを受け、
自分はそんな風には見ていない
と思う方もあるかもしれませんが、
では、あなたは自分のことを
どれだけ信頼し、大事な存在だと見て
接しているでしょうか。
自分や他者を、ある基準に照らして
使えるのか使えないのか、
付き合っていて利益があるのか
損なのか、という視点で
見ていないでしょうか。
自分の理想に合えば重用するけれど、
合わなければぞんざいに扱い、
切り捨て、責めたてたりして
いないでしょうか。
気持ちを大事にして尊重してあげたい、
損得や下心抜きで、喜ばせてあげたい、
幸せになってほしいと思って
接しているでしょうか。
人を騙す人は、
相手がどんな気持ちになるか
などお構いなしに、自分の都合で裏切り、
責任など放り出して去っていきます。
では、
あなたは自分が自身にしている態度で、
自分自身がどんな気持ちになっているか、
気にかけているでしょうか。
人からされたことにはひどく傷ついた、
と腹を立てたりするのに、
自分が自身にしていることには
酷く鈍感だったりしないでしょうか。
本当は泣きたかったり怒りたかったのに、
そんな気持ちを問答無用で抑えつけて、
自分の利益のために、取り繕った
笑顔を見せていないでしょうか。
それは、自身の尊厳を自ら
踏みにじって粗末にする行為であり、
自分自身への裏切りでもあるのです。
あなたのその在り様を、
騙す人はあなたの目の前に現れて、
お前のしていることはこういうことだぞ、
と教えてくれているんですね。
これを、どうぞ頭で理解しないでください。
できるなら、騙した人の視点に入ってみて、
その人の視点から自分を見てみてください。
どんなに冷酷で、残酷な目で
自分や他者を見ているかと、
本当にわからないと、鏡のメッセージは
受け取ったことにならないんですね。
気付くというのは、頭でわかること
とは違います。
本当に、あ、これは自分だ、
と理屈を越えて感じられることが
大事です。
本当に気付きがやって来たのなら、
あなたの在り様は、自然に変化して
います。
頭でわかったつもりでいると、
次は直さなくちゃ!と無理くり
頑張ろうとし始めるのです。
騙されたり裏切られたりするのは
とても辛いことだし、ショックなこと
ですが、
その苦しみは、
自分に裏切られてきた自分自身の
悲しみやショックと重なります。
相手を恨むな、怒るな、とは言いませんが、
相手を責めるだけではなく、自分自身の
在り様を振り返ることをお忘れなく。
くれぐれも、頭でわかったつもりで
もうやらない!と心に誓って
終わったことにしないように。
ワークの視点から見れば、
それでは終わりにはなりませんから。