私たちは人生に起こる色々な出来事に
様々な意味づけ、解釈をして受け取り、
体験しています。
たとえば、
とある山奥の神社に参拝したときに
空に細長くうねるような雲が見え、
それがとてもきれいな光彩を
放っていたとします。
それを見た人は、その美しさに感嘆し、
とてもラッキーだと思うのと同時に、
龍が自分を歓迎してくれたんだ！
ととても喜びました。
実際にあった事実は
神社に参拝したら細長くうねる
きれいな雲を見た、というだけのこと
なのですが、
その人はそれが龍に見えて、
自分を歓迎してくれたのだと解釈し、
とてもラッキーだと喜び、気分を
良くしています。
一方、朝の通勤でいつもの道を
通っていたら、突然この辺りでは
見かけたことのない黒猫が飛び出して
自分の前を横切り、頭上にはたくさんの
カラスが鳴いていたとします。
その人は、なんだか朝から縁起が悪い、
と気分を滅入らせます。
事実は黒猫が目の前を横切り、
たくさんのカラスが鳴いていた、
というだけのことなのですが、
縁起が悪い、と思うことで、
気分を滅入らせているわけです。
このように、私たちは起こった出来事に
それ以上に様々な意味づけをして、
その解釈に一喜一憂しています。
ポジティブな意味づけで
気分が良くなるならまぁ、
それもアリなのかもしれませんが、
ネガティブな意味づけをして
自分を追い込んだりふさぎ込んだり
するのなら、
起こった事実と、自分で乗せた
意味づけを注意深くセパレートした方が、
気持ちは楽になって、生きやすく
なるのではないでしょうか。
ただし、こうした意味付けは
あまりにも馴染み過ぎていて、
自分ではなかなか気づけないんですね。
けれど、起こったことはどこまでで、
それに自分で乗っけた意味づけは
どこから？そうすることで自分は
幸せに近づけたか？
などを問いかけていくことで、
気づくことがあるかもしれません。
こんなに苦しい思いをしているのは、
自分が罪深く邪悪で価値がない存在
だからではないし、
そういう存在だから、
自分はこういう地獄に永遠に
居なければいけないのでもないのです。
ただ、その苦しさをこの心と体と
魂で受け止めてやれば、
ちゃんと抜けていくのだし、
そこに邪悪さや罪深さは
関係ありません。
変に重たい意味付けをして、
業を背負うように捉えなくても
良いはずなのですが、
殊更にそのように捉えて
人生にある種の深い味わいを
求めているような人、多いですね。
それで身動きが取れなくなるくらいなら、
意味づけのフィルターを外して
軽やかに体験の正味を受け取って統合し、
前に進んだ方がずっと楽になります。
感情解放ワークにおいても、
様々な要素が折り重なった体験から、
受け止めるべき感情のエネルギーの正味が
どこなのかを見極められるようになると、
一見モンスターのように手に負えない
質量のエネルギーに見えていても、
十分に自分でも手に負えるエネルギー
であることがわかってきます。
大抵の人は自分でかぶせた
意味づけのフィルターのかかった
本当は空虚なイメージに圧倒されて、
気持ちの上で負けてしまっているんですね。
出来事は、本当はもっとずっとシンプルです。
自分で複雑にして、自身を追い込まないように。
できることを一つ一つ、やっていきましょう。