感情解放ワークで、多くの方が戸惑われるものに「掘り下げ」があると思います。このブログでも何度も解説しているのですが、いざ実際に自分の感情に相対した時に、一体どうやって感情のカケラ君に呼びかけ、どんな風に収めていくのか、全く道筋が見えないということがあると思います。
ワークはケースバイケースなので、必ずこのように問いかけ、掘り下げていくという形がお伝えするのが難しいのですが、心に留めて置かれるといいポイントというのはあります。
まず、自身の気持ちのカケラ君を、私は小さな傷ついた子供のように見ています。その子にどうやって心を開いて、思いのたけを打ち明けてもらうか、ということをイメージしてみてください。
この子は、これまでずっと助けてほしかった人に助けてもらえず、無視され続けてきました。どんなに叫んでも泣いても、とても長い間振り向いてもらえなかったので、かなり不信感を持っています。ちょっとばかり優しくされたからと言って、すぐに心を開いてくれるとは限りません。本当に信じていいのかどうか、すごく疑り深くなっていることも多いです。
そんな子に本心を打ち明けてもらうには、私たち自身がいい加減な態度では、その子は心を開きたくても開けないのです。その子だって、期待を持ってもまた裏切られて傷つくのは辛いのですから。
だからこそ、それまでどんな思いをしてその辛さに耐えてきたのか、その子の気持ちを思ってあげてください。その上で、誠実に呼び掛けることです。
「いま私に、何を伝えたい?」と。
私たちは、本当にどんなことも受け止める姿勢で聞かねばなりません。
ただ、しばしば私たちはそんな傷ついたカケラ君たちの声を聞くことを、ひどく恐れています。それを聞くのは気が重いから聞きたくないと及び腰になっていたり、聞いてしまったらとても大変そうだ、泣き崩れてしまう、悲しくて耐えられない、などなど、聞いたが故にやって来るであろう気持ちを、自分が支えきれないと恐れているのです。
けれど、ちゃんと手順を踏んでいけば、そうしたものに押しつぶされてしまうようなことにはなりません。
まず、自分が浮上する気持ちに耐えられないという「恐れ」を受け止めるところからやってみましょう。
大変そうだと思うのなら、どんな風に大変そうなのか、本当に受け止めてしまったら、どんな気持ちになって、それはどんな体感覚が起こるだろうか、というのを感じてみます。そして、その感覚を命の呼吸とともに受け止めていきます。
確かにこれは気持ちの良い感覚ではないでしょうが、身体から離れないでしっかりその感覚に命が送れれば、それは薄らいで抜けていきます。
その状態で再びあの感情のカケラ君に向き合ってみれば、最初に感じたほどの辛さ、困難な感じはなく、できそうだと思えるでしょう。つまりは、自分の中に湧き起こった感覚によって、状況をより困難なものに見せられていただけなのです。
そこまでできたら、今度はカケラ君の声を聞いていきます。カケラ君は悲しかったり悔しかったりといった気持ちを訴えてくるかもしれませんし、ただただ心細かった。離れないでいて、と訴えてくるかもしれません。
「私にどうしてほしい?」と聞いてあげてもいいでしょう。
時には、かつて起こったある出来事の場面における気持ちが浮上してくることもあります。そうしたら、相手に対して当時言えなかった言葉を飲み込んでいる可能性が高いので、イメージワークで相手を呼んで来て、飲み込んだ言葉を吐き出していきます。
このとき、相手の表情の変化などもしっかり見ましょう。相手を見ながらある程度自分の気持ちが受け止められたら、今度は相手の中に意識を移動させてみます。その時の相手の気持ちを感じてみると、驚くほど様々な気づきがあるでしょう。
自分の側からだけで見ていたら気づかなかったけれど、相手も実はとても辛かったのだとか、自分に対して申し訳ない気持ちもあったのだとか。相手の中で感じるそれらのわだかまっている気持ちも、そのまま相手の中に居ながらこの身体で受け止めていきます。
すると、相手からあなたを見たときに、もっと素直になれたり、申し訳なかったと謝罪したいという気持ちが出てきたりします。その時の言葉を表現して、あなた自身が相手の言葉を素直に需要できれば、この出来事に関するわだかまった感情は解放され、学びは完了ということになります。
相手と自分を命のエネルギーで包んであげて、感謝して相手を在るべきところに返してあげます。
本当に出来事のわだかまりが完了できたとき、あれほど心を乱されてきた相手への気持ちは、清々しいほどにすっきりと穏やかになります。そして、ただただ感謝のみが残るのです。
大まかなワークの流れはこんなところですが、基本は、感情のカケラ君がして欲しいことをしてあげるということです。だから、しっかりとカケラ君とコミュニケーションを取ることが大切です。
これができない方は、自分の中の「恐れ」に徹底的に向き合っていくことです。
あとは、セッションを受けるかワークショップに来て下さい。(笑)
参考までに。