運命の人

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さて。

人生で、運命の人というのが
いるのかいないのか、老若男女問わず
多くの人が興味を持つ話題でしょう。

もちろんいると思いますが、
多くの人が「運命の人」と言って
思い浮かべるのは、深い絆で結ばれた
パートナーのような、ロマンティックな
関係性だろうと思います。

そして、運命の人と結ばれれば、
幸せになれるのだと、そのイメージに
執着する人が多いのですが、

もちろん、そういう運命の人
というのもいるのでしょうが、
運命の人だからと言って、
必ずしもハッピーエンドの幸せを
体験する相手、とは限らないのですよね。

そんな話は聞きたくな~い!
という向きもあるかもしれませんが、
ロマンティックな関係性だけが
運命の人ではないのです。

これも、魂は人間目線の文脈では
人生を見ていない、ということを
思い出してみれば至極当然で、

広く見てみれば、
魂の計画(願い)を叶えるために必要な
人生の主要な配役のすべてが運命の人
と言えます。

その中には、
深い愛を育む関係の人もいれば、
人生の方向性を決定づける影響を
与える人もいたり、

深く傷つき、傷つけあう関係の人、宿敵、
命を奪い、奪われる関係の人も、
その範疇と言えるかもしれません。

繰り返し言いますが、
魂は、善悪や幸不幸、成功や失敗
といった基準では人生を見てはおらず、

その体験を通して何を受け取るのか
というところに深い意図があるのです。

だから、
濃密な愛を交わす運命の人であっても、
必ずしも世の幸せの形に結ばれるわけではなく、

結ばれなかったが故により深く気づくこと、
味わうこと、本質の学びがあるのであれば、
魂はそういう出会い方を設定するんですね。

喜びも憎しみも悲しみも深い傷の苦しみも、
魂は等しく、執着したり忌避したりせず、
ただただ本質の追究に邁進するのみなのです。

昔は、恋愛相談などでよく
この人は運命の人でしょうか?
と聞く方もあったのですが、

迂闊にそうです、とでも答えようものなら、
その方の中ではロマンティックな期待と
妄想に囚われて、

いやいやそうじゃなくてね、という
但し書きのところはすっ飛ばして
まったく聞いてない、みたいな勢いで、

軌道修正できないというか、
理解されないケースもありました。

言葉面は同じでも、
そこにどんな概念を乗せているかで、
全く違う文脈になるので、
注意しないといけませんね。

話は戻って、
その関係性から生まれる体験で、
何を受け取り、どう応答したのか。

ここに、その人の器の成熟度が
表れますね。

自分の成熟度が相手より上か下か、
同じ程度なのかによっても関係性の
味わいは大分変りますが、

ただ、どんな関係性でも言えることは、
自分自身が未熟すぎると、相手や魂の
深い深い眼差しに込められた愛に
気付くことができない、ということです。

気付けていないにもかかわらず、
それでも注がれている愛に、
遠い時間を経て気付けたとき、
その人は成長したのですね。

愛は、優しく心地良いかたちばかり
ではありません。

そういう愛のかたちではなかった
と言って、不平不満を言い、
唾を吐くような見方しかできないのは、
浅はかです。

頭で考えてわかるようなもの
ではないけれど、今の自分は
どこまで汲み取れているのか、
と問う謙虚さは、持っていたいものです。

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