甘えと依存

甘えと依存、似たようなイメージがあるかも
しれませんが、あなたの中ではこの二つは
同じものでしょうか?違いますか?

先日の特別講座の時に、この二つを同じもの
と捉えているがゆえに、人に頼ることが
自分になかなか許せない方がありました。

人に頼ることを自分に許せないと、
本当に大変な時に自分一人ですべてを
抱え込んでしまう。

その状態が酷ければ、自分がつぶれてしまうまで
抱え込んだものを手放せない、なんてことにも
なりかねません。

「お言葉に甘えて・・・」なんてよく言いますが、
頼ってもらう方としても、

恐縮しきりに遠慮がちに頼ってくれるより、
気持ちよく甘えてもらって、
「ありがとう!すごく助かったわ!」
って言ってもらった方がいいのにな、
って思う経験をされた方も
いらっしゃるのではないでしょうか。

こんな風に、
受取下手、頼ることが下手な方は、
不健全な依存と健全に甘えることの識別が
されてないのかな~としばしば感じます。

私の大学時代の友人が昔こんなことを
言っていたのですが、

彼女の友人に対して、彼女が
「あの人は甘えてくるけど絶対に依存は
してこない」って言ってたんですね。

二人を見ていると、確かにべたべたは
してるけれど、重さは感じられません。

お互いにその距離感、関係性を
楽しみつつ、互いの在り方を認め、
許し合っているようでした。

なるほど~と思いはしたものの、
当時はその明確な違いが私自身、
あまりわかってはいませんでした。

今その言葉を思い返してみると、
健全に甘えられているとき、
その年齢に応じた自分自身の責任を
ちゃんと自分でわきまえ、そこを
誰かに押し付け、放り投げたりは
していない。

一方で、不健全に依存している時は、
そこがわきまえられず、他者に押し付けている
違いがあるかな、と思いました。

ここで難しいのは「年齢に応じた」
というところで、昔の日本の教育では、
何歳までにそれぞれここまでの分別がつくように、
という躾があったようなのですが、

今はその段階が早すぎたりまるでなされて
いなかったり、ということがあって、

そう言うことも影響して健全に甘えさせてもらえず
不健全な依存との混同が起こっているのかな、
ということを考えたりもしました。

逝きし世の面影」という渡辺京二氏の本によると、
昔の日本人は子供を良く可愛がり、子供の
やんちゃも大人たちはあまり叱らない。

けれども、そうやって育った子が一旦元服すると、
びっくりするくらい大人びた立ち居振る舞いをする
ということが書かれています。

今の時代の成人式よりも、昔の日本の元服
というのは、ずっと重みのある、実際的な
「子供から大人へ」という境界線だったのだ
と思います。

その辺が曖昧になった現代では、
私自身も含めて、中身が子供のままの大人が
仕事をし、また子育てしているのかもしれません。

子供の頃に健全に甘えられて育つと、
子供は社会や周囲の人々の温かさを肌で知り、
意識のベースに信頼の感覚が根付くように
思います。

そこが様々な事情から叶わないと、
「何もかも自分一人でやらなくちゃ生きていけない」
あるいは「生きていちゃいけない」みたいな
意識になって、

甘えることは悪いことだ、という思いから
「甘えてはならない=頼ってはいけない」
という禁止が意識のプログラムに書き込まれる
ようになったりもします。

誰しも、人間一人で生きているわけじゃ
ありませんから、

互いに弱いところ、強いところを分かち合いながら
助け合って生きていくのが、厳しい自然の中で
生きてきたご先祖様たちの智慧でした。

人に頼ることが難しいと言う方たちを見ていて
しばしば感じるのは、そういう方たちは
非常に自身の弱さを認めるのに抵抗する
傾向がありますね。

それって、言ってみれば
「謙虚さがない」とも言えるでしょう。

在るがままの自分のできないところ、
至らないところ、弱いところを認めて、
それを助けてくれた存在に対して
謙虚に「ありがとう」と言う。

自分の弱さを認めていないと、
助けてもらうこと自体が

自分の弱さを証明する悪いことのように思えて
責められているように感じたり、恥ずかしくて
仕方が無かったり、という風に感じて
しまうのではないでしょうか。

弱さを認められないのにも
掘り下げていけば色々な要因があって、
なかなか根深いものがある方もありますが、

自分の弱さを認められない人は、
他者の弱さに寛容ではいられませんし、
寄り添うこともできません。

自分で自分の生きる世界を
殺伐としたものにしてしまう在り方を
しています。

不健全に依存する人も、
自分の弱さに対峙することなく他者に
その責任を押し付けていますから、
根っこは同じですね。

健全に甘えるには、
自分の弱さを認めて謙虚であることが
大切なポイントなのだろうと思いました。

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