失ってしまったものを追い続ける心

不当に奪われたもの、
失いたくはなかったけれど、
失ってしまったもの、
自分の元から去って行ってしまった存在、

それまで、
当たり前のようにそこに在って、
共に時を刻んできたものが
自分の世界から消えてしまった時、

私たちは心のバランスを崩して
どうにも自分が定まらない
状態になってしまうことがあります。

心にぽっかりと穴が開いて、
何もする気が起きなくなってしまったり、
気が付くと、失ってしまったものを
心で追い続けていたり。

在るべきものが無い、という
その状態に、私たちの心は戸惑い続け、
何年、何十年も、時には人生をまたいで
その喪失感を持ち続けていることが
あります。

それから長い年月を経て、
いつしかその喪失感も薄らいで
本人も忘れていたとしても、

何かのきっかけで、
自分は失ったのだ、という思いが
ふいに復活して、周囲も戸惑うほどに
強い感情が表出することがあります。

たとえば、
認知症になった方が、周囲の人に
自分のお金や持ち物が無くなった。
お前が盗んだのだろう!と疑いをかけて
責めるということがあったり、

ず~っと昔、
子供の頃に親が外出していて
一人で留守番をしていたときの心細さや
不安感が浮上してきて、泣き叫んだり。

自分とともに在るべきものがない、
側にいてほしい人が側にいない、
ということの辛さ、苦しさ、悲しみ、怒り、
悔しさ、不安感は、時空を越えて私たちの心に
残っていることがあるのです。

その不安定な心をどうにか収めるために、
やたらとお金に執着したり、
パートナーを束縛したり、
子供に過干渉になったり、

あるいは、
奪われる前に奪う側になろうとする
人もいるし、徹底的に、奪う者を糾弾し、
殲滅しようと過激な行動に走る人もいます。

みな、自分の心にぽっかり空いた穴を
どうやって埋めたらいいのかわからずに、
その穴を恐れて過剰に反応しているのです。

宙ぶらりんになったその心は、
そのままではとても不安定なので、
見つけたら収まるところにちゃんと
収まるように、導いてあげると
とても安心して落ち着きを取り戻します。

それまでは、どうやっても暴走して
私たちを困らせますね。

感情解放ワークでは、
まさに喪失したその場面で浮上している
あらゆる感情のカケラ君たちをお迎えに行って、
抱きしめ、統合していきますが、

みんな、長いことお迎えに来てくれるのを
待っていますよね。

幼稚園に夜遅くまで預けられた子供が
親のお迎えを今か今かと待ち続けているように、
来るべき人が来てくれるのを思い続ける
その心のエネルギーは、小さな子供でも、
ものすごく強いものがあります。

だから、どんなに些細な、と思えるような
喪失感も、自覚する以上に自身の心に
結構な影響を持っていたりします。

特に、失ったのだということを
受け入れられない場合はなおさらで、
その事実を否定してしまうと、

その心の傷は無かったことに
なってしまうので、
癒せなくなってしまうのです。

そうしてその喪失感は心の中で
固まって、抱え込まれることになります。

故に、どんなに辛くとも、
癒しのプロセスに進むには、
失ったという現実を認め、受け止めることから
始める必要があります。

逆に言えば、こういうものが癒えて行くと、
そこに注がれていた心のエネルギーが
解放されて、ものすごく気持ちが軽くなるし、
その分、別のことに力を注ぐことが出来る
ようになります。

喪失感をいつまでも抱え込んでいると、
失った、無い、と言う状況を
繰り返し再現し続けてしまうことにもなるので、

心当たりのある方は、
よくよく振り返って、
気持ちのカケラ君をしっかり
お迎えに行かれることをお勧めします。

一人じゃ無理だよ~!と言う方は、
ぜひ個人セッション、受けてみてね~!

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