今日は何となく、
意識の深さやその質感について、
つらつらと綴っていきます。
人の心をリーディングしていて、
大抵の人は表層意識から
潜在意識まで、様々にノイジーな
エネルギーがわさわさしています。
今日の仕事でのあれやこれ、
過去の体験の恐かったこと、
悔しかったこと、怒り、悲しみ、
大切にしたいこだわりなどなど。
それが、
何か一芸に秀でた達人などが
あるモードに入ると、
ものすごく深いレベルまで
す～っと静まり透った意識状態に
なるんですね。
そして、その意識状態が、
周囲の空間にフィールドを作る。
場が瞬時に変わるのです。
以前、とある達人がご神前で
剣術や弓術などを御奉納された場に
参列させていただいたことがあるのですが、
その方の意識がぴたりと
ものすごく深いレベルまで
透っているのが見て取れて、
見事だな、と思いました。
また、人間国宝の坂東玉三郎さんの
舞台を見に行ったときも、舞台の隅々まで
しっかりその演目の世界観のフィールドを
作り上げているその意識力の濃密さ、
繊細さ、揺ぎ無さに感嘆したものでした。
意識が世界を創り上げるというのは
本当で、というよりは、
世界は意識で成り立っていると言った方が
真実なのかもしれません。
セッションでも、
最初は様々な未完了の感情のエネルギーが
ノイジーに蓄積していた状態でも、
そうしたノイズのチャージがクリアに
なっていくにつれて、
その人の気持ちも穏やかになったり、
捉えている世界が優しく、安全に、
落ち着いたものに変化していきます。
そういう統合のプロセスを
いくつも通過していく程に、
意識はクリアになって行って、
より深いレベルに開かれて行く
ようになります。
意識の表層に近い部分では、
感情的な揺らぎが多いですが、
深いレベルにいく程に、
今生の人格を越えて、
魂レベルで繰り返している癖
みたいなもののパターンの
ストーリーが沈んでいたり、
様々なスピリチュアルな契約の類の
コードが見えたりもします。
そういうところも
クリアになっていくと、さらに奥、
その人の魂がこの人生を通して
表現したがっているものが
姿を現してきます。
その願いを軸に見て行ったときに、
現状のその方がすんなりいかないところ、
引っかかっているところ、課題などが
読み取れてくるわけです。
意識が深まっていくのは、
命の願いの方向性に歩んでいるときで、
人間目線の成功や頭で思い描いた
取ってつけたような理想の実現に
奮闘しているときは、意識が深まる
ことはありませんね。
そういう時は、深まるどころか、
ますます葛藤が深くなり、
混乱して自分を見失うばかりです。
だから、
他人が見せる成功や幸せのイメージを
そっくりそのまま、自分に移植して
それを追うのはどうかな、と思います。
自分にとっての成功や幸せとは何なのか、
まずそこから問わねばなりません。
それをすっ飛ばして、
「人並みな幸せ」とか、「成功者になる」
ことを追い求めていると、
たとえその形が手に入ったとしても、
本当に自分の人生を生きている
実感は得られないでしょう。
どんな分野であれ達人は、
その「道」を通して自分とは何かを
必ず探求していると思います。
道が自分を導き、問いかけ、
私たちは道との対話を通して
自分自身を深く知るわけです。
意識の深さは、
その人が辿ってきた歩みの証。
真実を探求し続けた精華なんですね。