顕在意識レベルでは
大いに望んでいるのだけれど、
実は掘り下げていくと、
やろうともしていない、
ということがあります。
そうしたいです、と言っていても、
したいだけで、するとは言っていない。
「～したい」というのと、
「～する」というのは
全く別のこと、とセッションで
よく指摘するのですが、
実際、～のところに
みなさんそれぞれに言葉を入れて
二つを言い比べてみると、
言葉のエネルギーが全く違うことが
わかるでしょう。
「～したい」とは容易に言えるのに、
「～する」というのは、
本当にする意志が無ければ
言えないんですね。
百歩譲って、本音と建て前を分離させて
上っ面で言うことはできますが、
それだとものすごく薄っぺらい、
嘘臭い響きの声になるでしょう。
つまり、心底「～する」と言えない
ということは、そもそも
そうしようとはしていないし、
望んでもいないということなのです。
けれど、「～したい」という言葉は
何となくするような雰囲気があって、
脳を錯覚させます。
する意志もないのに、あるように
勘違いしてしまうのです。
だから、セッションではこの言葉遣いが
出てきたときは、厳密にその人の
心の真実がどこにあるのか、
突っ込んでいきますね。
では、頭では「～したい」と思っているのに
なぜそうしようとしていないのでしょうか。
理想論的には、したい方向に行動した方が
良いのだろうとは思っているのでしょう。
けれど、本人の中で何らかの理由があって、
それにブレーキをかけている。
自分がそれに対してブレーキを
踏んでいるということに
気付くことが大切です。
そのブレーキに気付けたら、
なぜ？と問うことができるから。
何かしらの恐れや都合の悪さが
そこにあるのでしょう。
本当に思い描く理想に進みたいのなら、
それと対話する必要があります。
握りつぶして勢いと力技で
越えて行くことなど不可能ですから。
自分が何を避けようとしているのか、
理屈ではどうにもならない
感情のエネルギーがそこに
隠れているはずです。
もし本当にそれをしてしまったら、
進んだ先で対応できずに
パニックになってしまうのではないか
という混乱のエネルギーがあったり、
何かトラブルがあって攻撃される
イメージがあるとか、結局
不幸になって辛い思いをするなど、
魂に刻まれた過去の傷が
投影されているのかもしれません。
それをお迎えに行けばいいわけです。
また、
自分の心の構造を深く掘り下げていく
ことがなかなかに難しいという方も
多いのですが、
そういう方の意識を読んでいくと、
自分がどこを見て良いのかわからず
意識の焦点が定まっていないので、
霧の中で、
ただぼんやりと彷徨っているように
何も捉えていないことが多いように
思います。
そういう方でも誘導すればいくらでも
手がかりとなるものを捉えてくるので、
それも意識の使い方の問題です。
多くの方は、わからない
という状態になった途端に混乱して
意識がマインドに逃げています。
けれど、そこでマインドに逃げずに
わからない居心地の悪さをそのまま
心と体から離れずに受け止めていけば
良いのです。
ある程度、居心地の悪さのエネルギーが
統合出来たら、もう一度最初の問いかけの
「～する」が言えるようになっているか
確かめます。
先程よりも言いやすくなってきていたら、
多少なりとも統合出来て、向き合える
状態になってきていると言えます。
さらにまだ引っかかっている
恐れがあれば、改めて統合作業を
繰り返していきます。
とにかく、「わからない」という混乱で
身動きが取れなくなっている人が多いので、
ぜひここをクリアできる意識力を
しっかり養ってみてください。