人生山あり谷あり、色々あるけれど、
先も見えず、延々と暗いトンネルの中を
行くような心境になるときって、
ありますね。
人間、先が見えていれば、
今のこれを乗り切れば、と
希望を持って気力を振り絞れますが、
終わりが見えないときというのは、
不安ばかりが募り、閉塞感が
とても辛く感じられると思います。
先が見える、見えないというのも、
マインドの幻想には変わりありません。
どちらも現実は変わらないのに、
幻想によって、苦しさが軽くなったり
重くなったりしているわけです。
自分で、ただ在るがままの現実を
圧倒されるような重荷にしたり、
それほど気にしなくても良いような
取るに足らないものにしたり
しているんですね。
こういうとき、ワークでは
ただ、今この瞬間感じている
その気持ち、感覚を捉えます。
あれこれマインドで解釈しようとしたり、
今この瞬間の苦しさから逃れるために
先のことを考えたりすることを止めて、
ただ今この瞬間、自身の現実に
起こっていることに集中するのです。
何とも重苦しいそのエネルギーは、
目の前のその出来事によって
感じているばかりではなく、
過去のある出来事によって刻まれ、
そのまま封印されてきたエネルギーが
目の前の出来事によってトリガーされ、
浮上してきているものでもあります。
その重苦しいエネルギーは、
常にずっと自分の心の奥底には
在り続けていたのです。
それが今この瞬間に浮上している
ということは、今それをきちんと
完了させるチャンスでもある
ということです。
体感覚をしっかり捉えて、
一番苦しいところ、固く暗く
冷たくなっているようなところなど、
一番反応が強いところが、
一番助けを必要としているところです。
ちょっと苦しいかもしれないけれど、
そこから意識が離れないようにして、
命の呼吸を送ってあげてください。
うまく意識が必要なところに
触れられていれば、その辛さは
多かれ少なかれ、緩んでいくでしょう。
そうしたら、現状は変わらなくても、
辛さが緩んでいるので、状況をしっかり
捉えることもできるため、
今まで見えなかった扉が見えてきたり、
それほど悪い状況でもなかったことに
気付いて、もっとリラックスして
事に当たれるようになっている
かもしれません。
こうして考えてみると、
自分がどんな風にその出来事を
捉えているかで、自ら状況を
地獄にも天国にもしていることに
気付くでしょう。
事に臨んで、圧倒されて
気持ちで負けていたら、
そのまま動けなくなってしまいます。
その圧倒されている気持ちを
しっかり立て直して、よくよく見れば、
絶望的と思っていたその状況の
別の可能性が見えてきます。
心が機能していれば、
体も動くでしょう。
感情のエネルギーに
飲み込まれているときは
なかなか気づけませんが、
自分は今、圧倒され、
感情のエネルギーに飲み込まれて
いるのだと気づけたら、
そこから出ることができます。
「絶望的な状況」があるのではなく、
「絶望に飲み込まれた意識」がそこにある
のだということを覚えておきましょう。