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さて。
人生の生き辛さの根っこを
掘り下げていくと、多くの人の心の奥に
深い悲しみや孤独、絶望感などを
見出すことがよくあります。
人生のどこかでそれらを
嫌と言うほど味わい、
どうにかして癒そう、その苦しみから
逃れようともがき続けてきたけれど、
どうにも癒し難く、やがて諦めの蓋をして
無かったことにして生きている人が
多いですね。
けれども、いかに蓋をしようと
あるものを無いことにはできず、
それはずっと人生を奥底から動かす
強い影響力をもった要因で在り続けます。
孤独に苦しむ人に覚えておいて
いただきたいのは、それは決して
外のもので埋めることはできない、
ということです。
いかにあなたを愛し、側にいてくれる
人がいようとも、あなたを深く理解し、
励まし、応援してくれる人が
いようとも、
根本的にその孤独を癒すのは、
そういう外側の存在ではないのです。
これを理解するには、
あなたを苛むその孤独が
どこからやって来ているのかを
知らなければなりません。
その孤独は、あなたがあなた自身から
離れてしまっていることから来ています。
あなたが、あなた自身を
最も離れてはいけない時に、
見捨て、離れてしまっているのです。
周囲の人が、あなたに関心を持ってない、
理解しようとしない、理解できない、
憎しみすら向けている、
厄介者扱いしてくる、
誰も助けてくれない、
などのように接するということは、
あなたが自分自身にそのように
接しているということを意味します。
周囲の人すべてがこういう態度
というわけではないかもしれませんが、
一部の人がそのようにあるときは、
その人がそのように接してくる動機と
と同じ動機で、あなたもそういう態度を
取っているということになります。
ということは、あなた自身があなたに
もっと関心と慈しみを持って
深い洞察と受容によって自分を理解し、
身をもってそれを態度で示すような
在り方をすることが、あなたのその孤独を
根本から癒す処方箋である、となります。
とは言え、それがわかったからと言って、
すぐにそのような態度に変えられるか
と言えば、そう簡単ではないことが
ほとんどだろうと思います。
なぜなら、そうしようとしたときに、
おそらく心地よくない、苦しい感情や
感覚、思いが浮上するからです。
それらを統合しなくては、
自分自身に慈しみと寛容な接し方など
どうやってもできないのです。
この苦しい感情や感覚に、
どれだけ向き合い、受け止め、
統合できるかが、変容のプロセスの
カギになります。
その感情に溺れるのでもなく、
第三者的に憐れむのでもなく、
被害者意識から卑屈に閉じていく
のでもなく、
当事者として、自分自身から離れずに、
ただその感情・感覚を生き、
通過していくのを見届けていくのです。
感情に溺れたり憐れんだり被害者意識に
逃げる人は多いけれど、それだと
苦しみのループは終わりません。
人間の意識というのはズルいもので、
逃げている自覚もないままに、
微妙に自分がそう在りたくない姿から
身をよじって逃げていくんですよね。
あなたが悲しみを抱え、孤独だったり
絶望しているのは、根本的には
誰かや何かのせいではありません。
あなた自身が、
自分が引き受けるべきものから
逃げているが故なのです。
このことが本当にわかると、
あなたは自身の人生を取り戻します。
逃げるから力を失って無力になり、
逃げるのを止めたところから、
真の生きる力を得るのです。
よくよく、心されますように。