癒しの深さについて

同じものに向き合っていても、
自分自身の意識が深まるにつれて、
受け取るものも変わってきます。

そうなると、
それに対する応答の仕方も
必然的に変化しますね。

同じ本を読んでも、
読む時期によって感じ方が
全く違っていたりするようなものです。

そもそも、以前は
とても触れることのできなかった
テーマに触れられるようになったりすると、
自身の成長を感じたりもしますね。

私自身、とても重すぎて
ワークを始める以前は意識を
向けることも苦しかったような
本がありました。

たとえば、有名なところで言うと
ドイツの強制収容所での体験を描いた
ビクトール・フランクルの「夜と霧」とか、
石井光太の「地を這う祈り」とか、

本のタイトルは忘れてしまったけれど、
中国のチベット侵攻、併合の中で
ある女性の壮絶な体験記とか。

ワークで自分に向き合ってきて、
自分がどこまでのものを受け止められる
ようになったのかを確かめたくて、

一時期はそうした生き地獄を味わった
人たちをテーマにした本を
色々読んでいたことがありました。

自分の中で掻き立てられる感情や感覚を
統合すると、冷静にものごとを
受け止められるようになるので、
バロメーターになったのです。

そうした本を読めるようになった
ということ自体が、私にとっては
確かにものすごい進歩ではありましたね。

著者の目を通して語られた世界には、
著者自身と編集のフィルターを経てもなお、
伝わってくる独特のその世界の質感
みたいなものがあって、

それを集合意識と言ったらいいのか、
何となくその世界のにおいみたいなものを
感じたりもしていました。

セッションの中でも、時空を超えて、
その人物が体験している世界に触れることが
よくあるのですが、

たとえば、
まさに戦争や飢饉が起こっている
その時代、その世界には、
独特のすさんだ空気が感じられます。

そしてその世界に生きる人物は、
その空気の中でその思い、感情が
意識に焼き付いたようになって、
身動きが取れなくなっているのです。

そこで、ヒーリングのエネルギーを
送ったりして、囚われた御霊や意識を
解き放っていくわけです。

よく、ヒーリングのエネルギーを送る
というと、対象に対して、
自分は安全なところにいて、
そこから送るイメージでされる人が多分
多いのではないかな、と思うのですが、

私のやり方では、
その意識のいるところまで降りていって、
触れるのが基本です。

だから、触れることにブロックがあると、
ヒーリングが成立しないのです。

これは、自身の感情を癒し統合するときも
同様で、鼻をつまむようにして嫌々
汚いものに触るようにやるというのでは
統合はできません。

あらゆる要素を当事者が感じているように、
けれどもそれに飲み込まれずに触れ、
それとともに在るわけです。

表面的な醜さや汚らわしさを見ていたら、
そういうことは難しいでしょうが、
その状態の奥にある、その存在の別の次元、
側面を見て、そこに導くようにするから
触れていられるのでしょうね。

地獄に堕ちたように見える存在も、
最初から最後まで、そこにいるわけでは
ないわけで、

遠い過去か、はたまた未来には、
まったく別の姿で正反対の在り様を
していることもあるわけです。

だから、目に見えているその姿が、
その存在のすべてでもないし、
本質でもありません。

千変万化の歩みの途上にあって、
命の本質とは何なのか。

その本質に帰ることが、
癒しではないかというのが
これまでヒーリングをしてきて
辿り着いた、今の私なりの答えです。

その存在の命の本質に、
どこまで迫ることができるのか。

それが、癒しの深さになるでしょう。

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