先祖の生きた時代の背景を知ること

その時代その時代の集合意識って
ありますよね。

この時代ではこれが当たり前の価値観で、
多くの人がその前提条件で
自分の生きる世界を見て、
生き方を選び、生活を営んでいる。

同じ国でも世代によって、
大事にしていること、判断の優先順位等、
随分違います。

セッションをしていても、
そのベースにしている価値観の違いから、
親子間などで摩擦が起きているとか、

親御さんや子供さんの行動や気持ちが
理解できないとか、ものすごく
よくあります。

けれど、よくよく相手の意識に入って
その人の見ている世界や感じ方を
確かめて見ると、

その背後にある体験の積み重ねによって
作られた信念や感情的な傷などが
見えてきて、

あぁ、だからあそこまでこだわってたんだ
とか、そのことになると異常なまでに
ムキになっていたんだ、とか、
理由がわかってきたりします。

たとえば、
今50代くらいの人の親御さんたち、
大体70代から80代くらいでしょうか。

その人たちは、
終戦間際から終戦から間もない時期に
生まれています。

その時代、日本はどんな状況だった
でしょうか。

場所にもよりますが、
東京はじめ、各地方の主要な都市は
空襲によって焼け野原になったところも
多くありました。

文字で「焼け野原」と言っても
今の時代の人がにわかにそれを
生々しくイメージすることは
難しいでしょう。

本当に、人々がつい先日まで
暮らしていたにぎやかな街が、
文字通り黒焦げで跡形もないのです。

そこに暮らしていた人々は、
火の海の中を逃げ回って、
ようやく生き延びました。

生き延びることができなかった人たちも
大勢いたのです。

生き残った人たちも、
共に暮らしていた家族やご近所さん、
大切な人を亡くした人もそこかしこにいて、
心身ともに、深刻な傷を負った人だらけ
でした。

昭和20年の日本の人口は約7200万人、
終戦直後の日本の食料自給率は、
今のようなカロリーベースの統計データは
存在しないものの、農水省の昭和21年度の
データでは88%だそうです。

その状態でも、1000万人が飢餓に瀕する
と言われたほど、深刻な食糧危機だったんですね。

東京上野駅の地下構内には、
たくさんの孤児たちが集まっていて、
朝起きたら隣で冷たくなっていたという
話も日常茶飯事でした。

あなたも、どこかで当時は闇市で食料を
調達していたんだという昔話を
聞いたことがないでしょうか。

生きるのが精いっぱいのこの時代、
人々の幸せの基準は飢えないこと、
お腹いっぱい食べられることでした。

今80代前後の方たちは、
この時代に幼少期を過ごし、その後
急速に復興し、経済も膨れ上がっていく
高度経済成長の時代をけん引した
人たちです。

現在この国は失われた30年と言われ、
経済的には没落している状況ですが、

反対に言えば、
30年衰退し続けてもまだ世界第4位の
経済大国なのです。その土台を作ったのが、
戦地から復帰してきた方たちと、
戦後すぐに生まれた方たちなのです。

今日より明日、明日より明後日は
きっと良くなると、多くの人が肌で感じて
努力を惜しまなかった時代。

今の若い人たちが感じている空気感と、
随分違いますね。

そのベースの違いを少しでも理解すると、
親御さんが背負ってきたものを少しでも
読み解けるところがあるのでは
ないでしょうか。

今の私たちの常識で、
先人の生きた時代の価値観を計ることは
できないし、その逆もまた然りです。

でも、あの時代に家族を飢えさせまいと
無言で頑張っていた親御さん、ご先祖様の
思いに、少しでも触れられたらいいですね。

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