守・破・離と外道

学びって、いくつになっても大事ですよね。

むしろ、年を取ってから
どんな学び方をしているか、というのに
その人の人生の熟練度が表れる
ような気がします。

学校に通っている頃は、
与えられた課題に対して、
問う側の狙った正解を答えるような学びが
特にこの国では多いのですが、

社会に出たら、
そんな決められた正解を答えていれば
〇をもらえるようなことばかりではなく、

何が正解かもわからないような状況の中で
自分なりの答えを出していく学びが
たくさんあります。

そして、やがて
課題は誰かに与えてもらうものではなく、
自分自身で見つけるものになっていきます。

課題を与えてもらうような学びは
ごく初期の段階の学び方で、
これから積み上げていくものの
ベースを作るような知識や技術を
とにかく吸収していく段階です。

この段階では、決められた正解を
徹底的に叩き込み、ある種の型を
身につけて行くわけです。

これが所謂、守破離の守ですね。

そして、ある程度まで基礎の基礎が
出来てくると、次はその知識や技術を
有機的に自分の中に組み込んでいく
段階に入っていきます。

基礎的な知識や技術を与えられたとしても、
人それぞれに特性や身体的な能力が違うので、
それらが最も効率的に、かつ有効に
生かせるようになるためには、
必ずしも人と同じようにやっていては
体現出来ない、ということがあります。

また、与えられたものすべてが
自分にとって有効なものではなく、
ある部分だけを使い、他を捨てる
ということもあるでしょう。

さらには、自分の特性に相性の良い技術を
さらに創意工夫して磨き、新たな領域を
開いて行くということもあります。

そうして開かれた道のどれが正解で
どれが間違いということではなく、
みな同じエッセンスを自分という
器を通して表現した結果の
精華なのです。

このようなプロセスをたどるとき、
もはや課題は与えられるものではなく、
ひたすら自分自身との対話になります。

これが、守破離の破の段階になるでしょう。

そうして、
自分自身の深奥との対話を重ねることで、
道は深まり、その対話はやがて、
内なる神との対話になっていきます。

これが、道を通して
神と一体の我を求めた者たちの
軌跡です。

日本文化には、どんな分野であれ、
多かれ少なかれそういう精神性の
ベースが人々の中にあるので、

何事も極めようとする職人的な傾向がある
とはよく言われるところであります。

伝統工芸や技能は元より、
最先端の技術の分野でも、
精緻な仕事ぶりや開発力とその精神性は
無関係ではないでしょう。

そうした日本人の善き資質というのは、
さらに磨き、後世に伝えていきたいものです。

世の中には、マニュアルでは対応できないこと、
理解できないことがたくさんあります。

マニュアルは便利なものではありますが、
それは非常に単純化、均質化された情報
に対する画一的な回答であり、

それにどっぷりと浸って生きることは、
自分自身の可能性や能力を眠らせる
習慣をつけることにも等しいように思います。

そぎ落とされた情報量の中で
日常を過ごしていると、
そういうレベルの情報しか読み取れない、
理解できない感性になっていきます。

自分が生きる世界は、
そこから自分が何を読み取り
受け取っているかで全く違ってきます。

同じ空間に居て、同じものを見ていても、
人それぞれの感受性によって、
体験が異なるのはそのためです。

今受け取れているもの、読み取れている
以上の様々なレベルの情報が
感性を磨き、意識を磨けば
この世界のそこここに見つけられる
ようになるでしょう。

見えないものに目を凝らし、
聞こえないものに耳を澄ませ、
触れられないものに触れようとする
者にだけ、開かれる扉があるのです。

時を越え、空間を越えて
開かれる世界に、
あたなは何を見るでしょうか。

古来より、そうした世界に遊んだ
達人たちの境地が、守破離の離です。

もはやその境地は道ではないので、
道を歩む者たちの独特の集合意識からも
離れています。

ちなみに、
破の段階の途中のレベルであるにも拘らず、
自分は離の境地にあると勘違いした
人の状態を外道と言います。

とかく人は勘違いをしやすいもの。
よくよく、内なる神との対話を怠るなかれ。

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