どんなに素晴らしい才能とパワー
のある人でも、瞬く間に
冴えない無能な人にしてしまう
方法があるとしたら、それは
どんな方法だと思いますか?
外部からの圧力でひねり潰すのでもなく、
悪い噂を流して失脚させるのでも
ありません。
その人自身の自尊心を挫き、
自分自身に疑いを持たせ、
自分を攻撃するように仕向けるのです。
そうすれば、その人が
自身の力を発揮しようとするたび、
自分を疑い、未来を不安にさせ、揺らぎ、
足を踏み出すことを恐れるようになります。
そうしてその人は、
何もできな自分に対して、健全な自尊心を
抱くことができなくなるのです。
この繰り返しのループで、
素晴らしい才能もパワーも発揮できない
冴えない人が出来上がります。
自分では何も決めることも達成することも
できないので、常に誰かの命令や指示を
待つようにもなります。
どれだけ自分で自身の人生を
生きたいと願っても、自分の人生を
推進する力が封じられてしまって、
気が付くと受け身な態度を
取ってしまうのです。
自尊心というのは、それを失ってみると、
人間にとってどれだけ大事なものなのかが
よくわかります。
しばしばこのことは、歴史的にも
征服者が被征服者を服従させるときに
使われた常套手段でした。
まずは、征服者は被征服者の自尊心を
徹底的に挫くような施策を施すんですね。
日本も、戦後この国に対して、あるいは
日本人であるということに対する
罪悪感を教育の中で巧妙にプログラムされ、
本来の力を発揮できないように
骨抜きにされてしまっています。
ご存じの方はよくご存じのことでしょう。
そういう大きな視座のみならず、
このことは私たちの極日常の中でも
しばしば起こっており、
何らかの出来事によって
自尊心を挫かれた人は、
自分を信じられないので
自分軸を定めることができず、
常にフラフラと揺らぐ在り方を
するようになります。
かなり根深いケースほど、
その原因となった出来事は深くその人の心を
苛んでいるでしょうが、
本当に自分軸を取り戻していくのなら、
どれだけそこに向き合い切れるかが
カギになってきます。
深い深い、心の根っこの傷が癒えて
自尊心を取り戻していくにつれ、
自分のあらゆるところを在るがままに
受け止め、慈しむことができるようになり、
自分を信頼し、
この世界にしっかりと地に足をつける
ことができるようになります。
つまり、自分への信頼がないと、
地に足をつけることはできないんですね。
そして、地に足をつけて在ることが
できるので、自分軸が立つわけです。
自分自身に対する疑いが浮上している
瞬間を注意深く見てみれば、
そこには必ず、不安感など揺らぐ心地悪い
感覚があるはずです。
それをしっかり体で捉えましょう。
まずはそれを統合していくようにすると、
疑うマインドは静かになっていきます。
自分を疑っているとき、自分を見捨て、
自分を攻撃的な眼差しで見て
自分がお留守状態になっています。
この状態で、どうやって自分軸を
立てられるというのでしょう。
自分に戻って、不安感などを統合し、
自分の感じているものを一つの基準に
自身の生きている世界を踏みしめるのです。
そうして、地に足がついたところから、
あなたはようやく自分の力を発揮する
基盤を得るのです。