被害者と加害者の学び

人間生きていれば、
日々様々な人と接すると思います。

結構密に関係する人もあれば、
電車でちょっと隣に座った程度のご縁も
あるでしょう。

それでも、自身の現実に登場する多様な
人物たちは、とても大切な気付きを毎瞬、
私たちに差し出してくれています。

感情解放ワークのメッセージの読み方を
ある程度知っている方なら、

気持ちが乱される出来事や人ほど、
自分にとって大切なメッセージなのだと
意識を向ける習慣はついていると思います。

出来事の大小はメッセージの深さには
比例しません。

「些細なこと」と思えるようなことも、
良く掘り下げていけば、実はとても深い
「核心」に至るものです。

出来事が深刻さであるということは、
自分がそこまでになるまでに意識を向けずに
きてしまったということなので、

出来事が「些細」と感じる内に気づける
感受性と、自分自身への誠実さは、
常に磨いておきたいものです。

偉そうなことを言える私ではありませんが、
自戒の意味を込めてそう思います。

以前、こんなケースがありました。

随分前になりますが、あるとき家族のことで
ご相談に見えた女性がありました。

息子さんがひどく荒れてしまって、誰も
手が付けられないほどになっているとか。

一方で、夫婦仲もあまりうまく行っておらず、
ご主人は常にこの女性を否定し、尊重せず、
辛くて気が狂いそうな日々を送っている
とのことでした。

お話を伺いながら、さぞ大変だったろうなと
思ったのですが、見えてきたのは、
この女性自身の徹底的な逃避癖でした。

彼女は、人ときちんと向き合うべきときに、
常に上の空で「ここにいない」状態でした。

人の話を聞いているようで、ちょっとでも
自分に都合の悪いと感じる話題になれば、
意識はどこかに彷徨っています。

その方がそうなるにはそれなりの背景が
あったのでしょうが、

この状態ではご主人も息子さんも、
そういう態度にならざるを得ないだろうと
分かりました。

私たちも人と対話をする時に、
相手がきちんと向き合って、
自分のことを受け止めてくれれば、
そんなにくどくど話をしなくて済みます。

けれど、相手の意識がどこか上の空だったら、
「この人、ちゃんと分ってるのかな?」と
疑って、声を高く、態度も強く出てしまう
ようになるでしょう。

そうしたことを何十年も積み重ねて行けば、
失望と怒り、悲しみと諦めがこの関係性を
すさんだものにしてしまいます。

その女性にも、あなたは単なる被害者ではなく
あなた自身にもこういう現実を作り出した
要因がありますよ、とお伝えしたのですが、

そのメッセージが受け取られることは
ありませんでした。

息子さんが荒れてしまったのは、
「母さん、俺がこんなにまでなっても、
あなたは俺に向き合ってくれないのか」
という心の叫びのように、私には思えました。

息子さんも、何度もこのお母さんに
サインを送ったのでしょう。

けれど、この方は決してそれに向き合おうとは
しなかったのですね。

リーディングをしていて、息子さんの
決して応えてはもらえない叫びへの
深い悲しみと怒り、そして絶望が伝わって来て、
何とも言えない思いがしました。

どちらが被害者でどちらが加害者でも
ないのですよね。

それぞれに、この関係性から気づき、
学んで方向転換をしていかなければ
いけない要素があります。

この女性にも、逃げずに向き合い、
受け止めていくことの学びがあり、

息子さんにも、決して受容されることのない
母親を選んで生まれてきたということは、
自分の中で母親のように、逃げ続けている
ものがあるということを意味しています。

ご主人にしても、同じでしょう。

互いが互いの鏡になっていて、
それぞれに役割を演じながら、いつ気付くか、
という学びの最中にいるのです。

だから、この関係性の中で誰かが
絶対悪で、この人だけが変わればいい
というものではないのですね。

こういうメッセージを伝えられて、
よし、結局は自分のことなんだ。
しっかり自分に向き合っていこう
と思う方は、気が熟しています。

それまでに、たくさんの徳を積まれて、
見えない祝福もあって、そのように
気づけるところまで来たのでしょう。

けれど、そう思える人ばかりでは
ありません。

メッセージを拒絶する人もありますし、
一応は聞くけれど、行動にまで
至らないケースも多いです。

けれど、それでも私はメッセージを
お伝えし続けます。

それは、私自身のミッションに対する
責任だからです。

お伝えした先のことは、その方自身の
選択ですから、結果がどうであれ、
私は在るがままを受け入れます。

リーディングセッションでは、
よく「自分がどうすればいいのか
決めてほしい」と思って来られる方も
ないわけではありません。

けれど、私にはその人がどうすればいいのか
決めることはできません。

こんな風にすると、こうなっていきますよ、
という「提案」はしますが、結局のところ、
「決める」のはどうあってもその方自身の
領域のことですから。

「決める」のが苦手な方、多いですね。

でも、苦しくとも、自分の人生の責任を
自分で引き受けることが、その苦しみから
脱出する最低条件ではないでしょうか。

それをしてこなかったからこそ、
今そのように苦しいのではありませんか。

どんなに不器用でも良いから、
地に足の着いた一歩を
踏み出していきましょう。

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