執着と恐れ

私たちはしばしば、様々なものに
執着することがあります。

それは人だったりものだったり、あるいは
何かの習慣だったり場所だったり
するのかもしれません。

自分ではそれほど執着しているつもりは
なくても、いざそれが失われるときに、
思っていた以上にそれを支えにしてきた
自分に気づくこともあるでしょう。

執着というと手放すべきなのに
手放せなくてしがみついているという
ネガティブなイメージですが、

人生のある時期においては、
それによってどうにか辛い現実を
生き抜いていくために必要だった
大切な支えだったりするのです。

けれど、留まることなく変化し続ける
人生で、いつしかその在り方を卒業
するべきタイミングがやってきます。

そんなとき、かつて自分を支えてくれた
大切なものを恐れなく、愛と感謝とともに
見送ることができるかどうか。

これが執着になるか否かの境目なのだろう
と思います。

もう既にそのタイミングが来ているのに、
それを手放すことへの恐れからしがみついて
しまっていないかどうか。

そうなると、自身の成長を無理やり
抑えて、人生の流れに逆らうことなるので、
色々な不調和が起こってきます。

カニやエビが脱皮するタイミングなのに
古い殻に執着していたらどうでしょう?

執着には、そんないびつさがあります。

私たちは、日々変化しています。
一時は必要なものであっても、永遠に
必要であり続けるものはありません。

やって来ては去っていく。

それがものごとの本質なのです。

それなのに、なぜ私たちはしばしば
執着してしまうのでしょうか?

そこには何らかの恐れが隠れています。

その人やもの、地位、お金、財産などを
失ってしまったら、どうなると思いますか?

それによって補っていたアイデンティティ
が消えてしまう。その丸裸の自分が
とても無防備で心細く感じるのでしょう。

そんな自分では、この世界で生きていけない
とすら思うかもしれません。

よく、ドラマなどで大切なものを失った人が
「何にもなくなってしまった。
すべて終わりだ」などと言うセリフを
聞くことがあります。

別にそれを失ったからと言って、
その人が消えてしまうわけでもないし、
まだまだ色々なものが今ここに在る
というのに、

その人にとっては自分と同一視していた
ものがなくなってしまったので、
「すべて無くなった」と感じられて
しまうわけですね。

でもこういう状況は、実はより成長した
自分にシフトしていく前の、必然的な
通過点なのかもしれません。

カニは、古い甲羅を脱がなくては
それよりも大きな体に成長することは
できません。

私たちも、古い概念に固着してしまった
自分自身を、そこから切り離すプロセスを
通過しなければ、さらなる成長は
できないのです。

だから、喪失はある意味、
新たな可能性を拓く前触れであり、
喜ばしいものなのだと思います。

失ったものが占めていたスペースが
空いて、そこに今の自分に見合った
素晴らしいものがやって来ます。

スペースのないところにそれが
流れ込むことはできないのです。

剥がれ落ち、去っていくものを追わず、
空っぽになることを恐れずに、
変化していく流れを拒絶しないで
起こることとともに流れていきましょう。

わだかまりなく、心おきなく
手放せるように、

怒りも悲しみも憎しみも淋しさも、
愛や喜びなどの楽しかった思い出も
すべて、

断ち切るというほど荒っぽいやり方
ではなく、

自身が完璧に調和した流れとともに
人生を生きていくために、
ただ選択します。

それは、どうぞ無理やりやらないでください。

果実が熟して自然に落ちるような
タイミングがあるでしょう。

頭よりももっと深いところで感じる
「潮時」ですね。

長い冬を越えて、春が来れば草木は
ちゃんと芽吹き、花を咲かせるように、

私たちの中にも宇宙とともに
自分自身のあるべき姿を表現していく
力があります。

その力を信じて、
変化を恐れる自分を責めることなく、
自分自身を大切にしてあげてください。

ものごとは、どんなに抵抗しても、
必ずなるようになってしまうものです。

心配しすぎずに、変化とともに
流れていきましょう。

その流れは、私たちを想像を超えた
ところへ連れて行ってくれるでしょう。

あなたの旅が、喜びと驚きに満ちた
素晴らしいものでありますように。

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