人間、どうしても自分の失敗や過ち、
実力不足などを認められなくて、誰かや何かに
責任転嫁してしまいたくなることが
あると思います。
そうしてそのやりきれない気持ちが、
ヒステリックな怒りや憎しみなど、
ものすごく攻撃的なエネルギーとして
周囲の人たちを傷つけるのです。
けれども
本人は自分の責任を全く認めていないので、
自身のその言動は至極当然のことであり、
責められるべきは相手の方で、
自分に対して謝罪し、償いをするべきだと
固く信じ続けています。
それがその人にとっての絶対の正義となり、
生きる力、原動力になっていたり
することがあるんですね。
また、それだけにとどまらず、相手に罪悪感を
抱かせることで相手のエネルギーを奪って
吸い取るという、いわゆるエネルギーバンパイア
のようなことをしていたりします。
そういう状態で何十年も人生を生きていくと、
その正義に基づく人生観の上に
全てのものごとを見、行動するので、
その世界観はどんどん強化されていきます。
その強固な正義は、ある意味で
自分を支えていますが、別の角度から見ると、
ひどく自分を制限し、生き辛さの原因
になっていたりします。
そうして、にっちもさっちもいかなくなって、
どうにかその生き辛さを解消しようという
行動を起こして初めて、
それまで抱いていた自身の「絶対の正義」、
自分の世界の大前提の虚構に直面するのです。
そのとき、その人の真実と解放、成長を願う
思いが十分に成熟し、強ければ、虚構を脱し
自身の真実に深く根差した在り方に向かう
プロセスに進むことができます。
けれども、まだ十分に熟していなければ、
自身にとっての絶対の真理であるところの正義を
脅かされることへの恐れから、拒絶反応を起こして
さらにヒステリックに反撃してしまうでしょう。
どれだけ堅牢に、巨大に作り上げても
虚構はどこまで行っても真実に変わることは
ありません。
それをそのままにして、
新たな自分を始めることはできないのです。
つまりそれがどういうことかと言えば、
これまで築き上げてきた自分の世界観の崩壊を
意味します。
これに直面することは、とても恐いことだし、
通過していくのもものすごくエネルギーが要る
ことでしょう。
毎瞬変化する自分の変化に向き合いつつ、
不安定さに自分で対応していかなければ
なりません。
だから、
逃げ道を求める心が少しでも残っていると、
容易く後戻りして、決して居心地は
良くないけれど、慣れ親しんだ地獄に
帰っていくのです。
それが悪い解いているわけではありません。
こういうことは、誰に言われたからと言って
やるようなものではありませんし、
100％自分の意志で歩まなければ、
歩みきれる道でもないからです。
すべて、自分で引き受けるから
人生を変えて行けるのです。
自分の人生において、
何を一番大切にしたいか、
という選択でもありますね。
○○のせいで、と思って苦しくなるのなら、
その思いは間違いなく、自分自身の人生を縛る
呪いになっています。
その呪いのために、
あなたの世界は重く、苦しく、不自由で
希望が持てないでしょう。
けれども、その呪いをかけているのは
他でもない、自分自身です。
嫌なら解けばいいのです。
そう、つまりあなたが苦しいのは
○○のせいではないのです。
このことを受け入れることで、
その苦しみはその瞬間から霧散するでしょう。
そうしてその後に現れるのは、
あなたが○○に責任転嫁していた
元の苦しみです。
それを、自分で引き受けるのです。
それは、あなたが○○に負けること
ではありません。
もし、その時に少しでも○○に対して
恩を着せたい思いや見下す思いがあるのなら、
まだ責任転嫁の思いは残っています。
まだ、あの虚構の世界の続きを
生きているのでしょう。
あなたは、これまで築き上げてきた世界が
崩壊していくことを恐れているのです。
あなたが恐れているのは、
○○が悪いせいではありませんよね？
このプロセスを以下に通過するかは、
この恐れをいかに統合できるかが
重要なカギになってきます。
セッションをしていると、
いくつもの人生で責任転嫁を修正できず、
ますます被害妄想を暴走させ、狂い、
飲み込まれている姿の人を見かけることが
あります。
今生もそれで終わって、
またさらにその傾向を増長させた人生を
生まれ変わってチャレンジしていくのかな、
と、呼びかけの届かない
狂気のモンスターを見て
思うこともあります。
でも、自分を変えられるのは、
自分しかいませんからね。
本人がそういう願いを持たなければ、
どうにもできないことです。
そういう願いを抱き、
歩み始めることのできた人は幸いです。
あなたの歩みに最高最善の恩寵がありますように。