「積む」ことの意義

昨日はガネーシャ・ギリ先生のところの
全体クラスヨガの日でした。

先生のところに初めて伺わせていただいたのは、
2015年の3月でしたので、かれこれ6年半、
同じクラスのみなさんたちと、
楽しく学ばせていただいております。

近所にヨガ教室は様々あれど、
どれもピンとくるところがなくて、
わざわざ埼玉まで出かけていくのも、
修行者としての先生の姿勢によるところが
大きかったと思います。

ヨーガを健康法の一種として行うか、
深淵なる宇宙につながっていく行法として
修練するかは、ものすごく大きな違いが
あるでしょう。

その中で、本当に修行者として
実践されている方に学ぶのは、
私にとってはとても意義のあることでした。

日々のクラスでも、先生の言葉の端々に
ごく普通にそういう姿勢が垣間見える
話しぶりがあって、昨日もふと
思うところがあったのですが、

それについて自分の備忘録的に
勝手ながら、思ったことを
書いてみようと思います。

先生はよく、
生徒たちのアーサナなどの行法を見て、
そこそこ筋が良いと褒めることがあるのですが、

その筋の良さを手放しで褒めるのではなく、
なかなかセンスがありますね、
あと10年くらい修行したら、
達人クラスになりますよ、
と言うようにおっしゃいます。

今までその言葉の意味をそれほど深く
考えずに受け取っていたのですが、
何となく昨日はその言葉が意識のどこかに
ずっと残っていて、なるほど、
と思うことがありました。

私は6年も通っていて不真面目生徒なので
普段あまり家で練習をしないのですが、

そうすると、
もちろんそれは先生にはバレバレで、
どうも行法としてはなんとかできている
ところがあるとしても、「積んでいない」
というのは当然ながら、明らかなわけです。

そこに、修練における「積む」と言うことの
厳然たる意味があるのだ、と思いました。

何だか当たり前すぎるほどに
当たり前なのですが、

積んでいない行で奇跡的に素晴らしく
うまくできたとしても、
10年積んだ平凡な行には叶わないのだろうな、
と思ったのです。

それほど、量(努力)が質(才能、資質)を
凌駕するというか、圧倒的に確たる基盤を
構築するのに、量を積むというのは
非常に大切なことなのだ、と思いました。

毎日毎日、同じことを積み重ねることの
確かさ、無駄なものが削ぎ落とされた洗練、
練り上げられた技術とエネルギーが
形成されるまでに、近道はないのです。

日本には、元々職人さんを非常に尊敬する
文化がありましたが、一つの道に
何十年も従事することで身についていくものの
尊さを、肌で知っていたのだと思います。

単純な動作をただ繰り返していくだけでも
毎回、自分の体調も違えば季節や天候によって
気温や湿度も違い、様々な条件が同じ
ということはありません。

調子の良い日もあれば、そうでない日も
あるわけで、最初の頃はその出来不出来に
一喜一憂しても、回を重ねるほどに、
そういう段階も通り過ぎていきます。

激しく落ち込んだり喜んだりする
山あり谷ありの道のりを越えていく中で、
いつしか、自分と行為の結果にひたすら
向き合うのみになっていくでしょう。

なぜなら、
その時の上出来に酔いしれたとしても、
歩み続ければ必ず、それは覆ったり
ただの通過点であったことを知るからです。

不出来に泣くのも、同じこと。

10年前に己の不甲斐なさに泣いたことなど、
10年歩み続けたら、そんな自分にまだ
泣いているなど、ほぼないでしょう。

積むことの意義の一つが
ここに在るのだと思います。

もちろん、何をどんな風に積むのか
というのはありますが、それも含めて、
真摯に向き合い続けていたら、
気づかないはずがないし、変化修正
されないはずがありません。

もがき続ける中で、何かしら、
自分の答えを見出すはずです。

それは、半年なのか5年なのか、
10年、20年、あるいは生涯かけての
問いであり、答え続けていく道
なのかもしれません。

現代社会は、そんな風に生涯かけて探求していく
何かよりも、目先パッとした結果を出すことを
求められることが多いように思いますが、
そういうものの多くは多分、消費されて終わる
ようなものなのではないでしょうか。

積み重ねられたものの価値を正しく
見抜く目を養うには、やはり
自分も正しく積み重ねた経験が
必要であるような気がします。

そのように、積み重ねることの意義を
本当に知る人の側には、そういう価値観を持った
人たちが集まったフィールドが形成されます。

そういう場の末席に触れさせていただいている
ことの恩恵と有難さを、しみじみと
感じたのでした。

というわけで、もう少し真面目に
家でも練習しよう、と思った次第です。(^^;

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