深い恐怖と良心の呵責のストーリー

やり過ごそうと思えば
そうできなくもないある出来事。

何となく引っかかっていたので
意識を向けていたら、
そう言えば、その土地に関することで、
以前にも引っかかることがあったな、
と思い出しました。

もう随分前ですが、
近所の知り合いのご親戚の方に、
その土地に関することで
漫画を描いたのが賞を取ったとのこと。

ネットでも見られるのでぜひ見て、
良かったらそのご親戚に
メッセージでもやってほしい、
ということでした。

漫画の内容は素晴らしかったし、
メールをするのは普通に考えたら
何の問題もないことだったのだけれど、
なぜかどうしても気が進まずに
そのままになってしまいました。

自分でもなぜなのか腑に落ちないまま、
かなりの年数が経っていました。

たったそれだけのことなのだけれど、
その土地で起こった、ある歴史的出来事
というキーワードだけが両者の共通項でした。

あれから20年近く経って、
出来事自体は全く関係もないし
種類も違うことなのだけれど、
どうにも後味の悪い出来事があって、

ちょっとワークしたくらいではどうにも
収まりのつかない引っ掛かりが残って
持て余していました。

これは何かあるな、と思って
さらに深く取り組んでみることにしました。

臓腑の全体でモヤモヤと嫌な感触があり、
じっとその感覚を受け止めていくと、
拭いきれない罪悪感と後ろめたさが
浮上してきました。

私の現実に起こった出来事にしては、
ここまでの罪悪感を感じるには
違和感のある感情でした。

そこで、これはどこから来るのか、
私自身のものなのか、それとも
入り込んでいる別の存在のものなのか
チェックしてみました。

すると、それは私自身のもの
ではありませんでした。

私の中に入り込んでいる何者かの
抱いている感情だと判明したので、
さらにその存在の素性を
掘り下げていきます。

それは、
かつて人間として生きた男性で、
年の頃は30代半ばの、
その国の人でした。

その国で起こった歴史的な悲劇に
加害者側として関与していた人物らしく、
自分の行為が望まぬことだったとはいえ、
良心の呵責に苛まれていました。

戦争時の強大な国家権力の前に、
個人の意志を通すのは難しく、
ものすごく非人道的なことだったけれど、
とても抗えるような状況では
ありませんでした。

彼の体験した出来事が
どれほどのものだったか、
その感触を追っていると、血の気が引き、
全身が震え、まともに呼吸も
できなくなるような状況で、

逆らえば自分の命が危ういし、
どんな拷問を受けるか、
今目の前で行われていることが
そっくり自分に降りかかってくる恐怖に
思考停止していました。

私は以前から、肉体的・精神的苦痛に弱く、
他国で行われている非常に残虐な出来事を
見聞きするたびに、自分がその場に居たら
どうするだろう、と考えることが
しばしばありました。

極限の状態で、
強要されることを拒否できるのか、
拷問の苦痛に耐えられるのか、
人間性を徹底的に破壊し尽くすような
あらゆることが行われる中で、
それを保っていられるのか。

とても無理だろう。

そのワークの時もそう思ったのですが、
深い目覚めの意識にあるマスター、
レナード・ジェイコブソンだったら
どうするだろう?と、ふと考えました。

彼はいつも、
もしもの想像で答えることはできない、
と質問者からの問いかけに答えるのが
常ですが、

そこは自分の想像の中で、
彼の在り方を想像してみると、
彼はどんな時でもプレゼンスから
外れることはないのだろう
と思いました。

プレゼンス、つまり、
今この瞬間に在るということです。

そして、
その深いプレゼンスから
ただ起こってくることをするのみ
なのだろうと思えました。

私と違うのは、恐怖に駆られて、
プレゼンスを放棄することはない
ということでした。

これほどの恐怖を支えられるだけの
深いプレゼンスに居ること自体が
私にとっては非常に難しいのですが、

それは一朝一夕に成るものではなく、
自分の中で、着実に育てていくもの
なのでしょう。

まだその男性の御霊は私とともにいますが、
彼とともに、その恐怖を癒すほどの
プレゼンスを育てて行こうと思います。

まだしばらくこのワークは
続きそうです。

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