私がお伝えする感情解放ワークの
根っこには、深い目覚めた意識の
マスター、レナード・ジェイコブソン
の教えがあります。
彼の感情に関する教えでは、
どんな感情も、悪いということは
ないけれど、唯一不健全な感情がある
と言います。
それは、
自分自身に向けた怒りの感情です。
本当は、それは他の誰かに対して
抱いていたはずのものだけれど、
何らかの理由でその対象に
向けられなかったとき、抑圧され、
それが自分に向かってしまったもの
なのです。
だから、
自分に対して怒りを感じたときは、
その怒りは本当は誰に対して
怒っていたのかを知る必要が
あります。
たとえば、
本当は自分を愛してほしい人に対して
怒っていたとしたら、その怒りを
素直に認めることは、
難しいかもしれません。
なぜなら、
その人に怒りを抱いていることを
相手に知られてしまったら、
その人は自分を愛してくれなくなる
かもしれないし、自分から去ってしまう
かもしれないという恐れを抱くからです。
だから、
自分の怒りを抑圧し、
その人に対しては何ら怒りなど
抱いていなかったかのように、
その人に気に入られる自分を
演じてしまうでしょう。
そうして、
そのように怒りを抱く自分を、
逆に責め苛んだりするのです。
自ら、自分軸を挫(くじ)き、
他人軸で生きるように
自分を矯正しているわけですね。
怒りを相手にぶつけろ
と言っているわけではありません。
自分の怒りに対して、
適切に応答する必要がある
とお伝えしているのです。
怒りは、何か相手から
してほしくないことをされたか、
してほしいことをしてもらえなかったか
によって傷ついた気持ちから
生じる感情です。
それを抑圧するということは、
その傷ついた気持ちをねじ伏せ、
自分は傷ついていないし、
そういう態度をされても
問題ないという誤ったメッセージを
相手に送ることにもなりますね。
そうやって、
傷ついた自分を心の奥に沈めて
自分を相手に差し出し、
本当は望んでいない人生を
生きるよう、自ら仕向けているのです。
怒りに適切に応答するとは、
自分の尊厳を守る態度をとる
ということでもあります。
それは、
相手のその態度を自分は望んでいない
と表現することだったり、
必要であれば、
相手との関係性から離れること
であったりするかもしれません。
そういう態度を取るには、
完全に自分軸でなければならず、
自分を差し出して相手から
関心や愛を得ようとしている限りは、
難しいでしょう。
けれど、そもそも
自分を差し出して得るようなもので、
本当に自分が満たされるのでしょうか。
多くの人は、そうやって
自分の中の空洞を埋めようとするけれど、
その空洞は、自分のその態度によってこそ
生まれているものだという認識は
ないことがほとんどです。
そうして、傷ついた気持ちの
無限ループが続いていくわけですね。
自分を愛さない人は、
他者を本当に愛することは
できないという理由がここに在ります。
自分を愛さない人は、
その愛への渇望を、他者との
パワーゲームで埋めようとするが故に、
本当の愛の関係にはならないからです。
その怒りが一体何を訴えているのか、
その真意を取り違えないように。
そして、その応答の仕方を
間違えぬよう。
怒りのメッセージを、
どうぞ大切に聞いてあげてください。