執着と停滞

人間というものは、ややもすれば
安定に腰を落ち着けたがるもので、
不意のトラブルや予定変更など、
大の苦手だったりストレスになったり
という方も結構いらっしゃいます。

中には、急な予定変更もトラブルも、
何でも来い!という強者もいて、
毎日がワクワクアドベンチャーって方も
あるようですが、割合としては
前者の方がずっと多い印象があります。

どちらがいいとか悪いとかではないのですが、
今回は前者の要素が強い方のある傾向
について、お話してみようと思います。

継続してセッションをお受けくださっている方は、
その変化を毎回確認させていただけるので、

その変化に私もびっくりするくらい
かつてあったネガティブな気配が抜けて
その方本来の魅力というか味わいというか、
あるいは才能が滲み出て来たな~
と感じる方もあります。

また、現実の方も、あれほど抱えていた
困難な状況が落ち着いて、
取り立てて苦しい状況はなく、毎日が
平穏で穏やかに過ごせていたりします。

どこまでセッションで取り組むか
というのはその方次第ですが、

ある程度の平穏が訪れた段階で
終了するのもアリだし、
ご自身のハートで、まだ見るべきものがある、
と感じられればさらに奥に進めていく
選択もあるでしょう。

そのときに、難しいのは、
今ある平穏をいったん手放すことになる
かもしれない可能性がある、
ということが先に進むことを躊躇する
要因になることがあります。

今平穏なんだから、これでいいじゃない!
っていう思いが、執着を生むことが
あるんですね。

困難な時は、早くこの状況から脱出しなくちゃ!
という強いモチベーションがありますが、
平和なときは、それはそれで有難いけれど、
この平和を失いたくない、というブレーキに
働いてしまうことがあるのです。

だから、ある意味困難というのは、
魂の成長という面からみると
恩寵なのだろうな、と思います。

けれど、深いところでは本人も
ここで立ち止まるべきではないと、
分かっているはずです。

次のステージに駆け上がっていくために、
息を整え、疲れを癒すのは良いとして、
そこは居つくべき最終地点ではないのです。

階段で言えば踊り場のようなもの。

踊り場に居ついていては、
魂もどこか息苦しさは免れませんから、
いずれは再び立ち上がって、
階段を上り始めることになるでしょう。

人生は旅のようなもの。
永遠に腰を下すべき安住の地というのも
ある種の幻想なのかもしれません。

日々新しく生まれ変わっていく自分の命を
瑞々しく感じて、その時その時の自分を
常に新鮮に生きるだけなのでしょう。

昨日と同じ自分というものはありませんし、
世界も周りの人たちも、同じではありません。

日々の自分や世界にいかに応答できる
感性を開き続けていられるか。

開いたり閉じたりするというよりは、
常に開きっぱなしの状態が普通になる
のがいいのかな、と思います。

こういう状態で居ると、
頭で「前に進まなくちゃ!」とごり押しして
休むべき時にマラソンをしたり、
進むべき時に惰性に流されてぐずぐずしている
なんてこともなくなるのでしょう。

そういう、体で感じる潮時の感覚に、
ときに、前に進むことを恐れる気持ちが
どこかにあると、意識、無意識的に
その呼びかけに耳をふさぎ、目を閉じて
気付かないようにしてしまうことがあります。

順調に解放が進んで現実も良くなってきたときに
停滞する時期がやって来る一つの要因は
こういうところにあるのだろうと思います。

今のその平穏を手に入れるまでにも、
とてもたくさんの勇気を奮って、
越えられない、と思っていた壁を
越えてきたことでしょう。

その旅路の中で、あなたの心の筋肉は鍛えられ、
受け止める器も大きく成長しました。

かつての自分から大きく成長した
今の自分だからこそ、取り組める課題
というのもあるのです。

つまり、これから向き合おうとしているものは、
これまでの自分だったら到底、太刀打ち
できなかったようなものかもしれません。

そういうものが差し出されたときは、
自身の成長をまず祝福しましょう。

それだけ自分の器が大きくなったんだな、
よくやった!と。

小学生には小学生なりの問題が、
大学生には大学生なりの問題が
与えられるものです。

次々やって来るテーマにうんざりして
どこまでやったら永遠の平穏が与えられるのか
と思われる方にお伝えしましょう。

あなたが求めるそんなものは
やって来ません。

ただ、かつて右往左往していた自分だったら
どうにもならなかったような出来事を、
軽やかに対処できるようになっている自分が
様々な人生の波を楽しむ人生が
続いていくだけだと。

差し出されるテーマは、
常に今の自分よりも少し先、負荷のかかる
くらいのものが差し出されるものです。

受け取ったときは一瞬動揺するかも
しれませんが、きっと自分は大丈夫。

そう信じて顔を上げ、前を向きましょう。

頭を抱えてうずくまっていては、
怪我をしますよ。

誇り高い、自身の魂を思い出すのです。

ゆめゆめ、自分自身を見くびり、
卑下することなかれ。

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