虐待の連鎖を断ち切る

あなたは、八つ当たりって
したことありますか?

多かれ少なかれ、誰しもに
経験のあることじゃないかな~
と思うのですが、
こじれちゃった感情の発散形態ですね。

八つ当たりは、本来そのものの責任では
ないのに、それに対して、怒りや
不快感のエネルギーをぶつけるという
かなり暴力的なエネルギーの使い方です。

これをしている限り、その人の現実では、
根本的に対処されなければいけない問題に
建設的な行動が起こることはありません。

本来向けられるべき先ではなく、
明後日の方向に破壊的なエネルギーが
暴発するだけなので、

その部分に悲惨な傷跡を残しこそすれ、
そこから何か素敵なものが
生まれてくることはないのです。

学校や職場などでのいじめもそうですし、
このコロナ禍で激増しているという
家庭内や恋人間でのDVもそうでしょう。

よく、虐待の連鎖なんて言われますが、
虐待する加害者も、かつては被害者だった
ということは珍しくありません。

加害者から受け取った暴力的なエネルギーが
耐え難くて、それを押し付けやすい、
自分より弱い立場の者に擦り付けていく
ということを繰り返しているわけです。

永遠に続く、ババ抜きみたいなものですね。

被害者は、感情の適切な処理の仕方を
身に着けない限り、ババを引かせる
誰かを探して擦り付けていくしか
自分が楽になる方法はありません。

そんな不毛な連鎖を断ち切るために
どうすればいいのか。

こんなことしちゃいけない、すべきでない
と頭では分かっていながら止められないのは、
自身の内に噴き上がる感情のエネルギーに
我を忘れて飲み込まれているからです。

そうならないように、徹底的に
自分の感情を切り離してガッチリと抑圧をする
選択をされている方もあります。

けれど、それも本当にその感情のエネルギーを
マスターしたことにはならないので、
自身の内に深い分離の溝を刻んで、
その副作用に苦しむことになるでしょう。

自身の内に、強烈な暴力的なエネルギーの
気配を感じている人は、少しずつでいいので、
それに触れる苦しみを、誰かや何かに
ぶつけるのではなく、自分自身で
受け止めていくことです。

受け止めるというのは、その感情、感覚を、
自分の心と体で感じていくということです。

感情は心だけで感じているわけではなく、
体もそれを感じて反応しているので、
私がお伝えしている感情解放ワークでは
体感覚を取ることを大切にしています。

また、体感覚を重視するのは、
感情を強烈に抑圧している人がいきなり
感情を感じようとしても、なかなかに難しい
という事情もあります。

とにかく、心にせよ体にせよ「感じる」感覚を
自分の認識の中につなげていく必要が
あるのです。

たとえば、怒りを感じたなら
心臓がどきどきするとか、
頭がかっとなるとか、肚にどす黒いものが
うごめく感覚があるとか、体温が上がるとか
様々な体の変化があるでしょう。

それこそが、怒りのエネルギーの
体における変化です。

そうした気持ちを感じた時の
感覚にしっかり気付いて、それを感じながら
深く呼吸をします。

私はとても怒っている、悔しい、
悲しかったなどなど、それを感じながら
自身の内に湧き上がる気持ちを
言葉で表現して行ってもいいでしょう。

抑圧の強い方は、本当は怒っているのに、
自分に怒りを禁じているために、
怒りを認識できない方も少なくありません。

自分が怒っていることを
認めたくないのです。

気づき、認めてしまったら、
自分が苦労しながらかろうじて保っている
心のバランスが保てなくなるから。

こういうケースでは、
注意深く、膨大な感情のチャージの
ガス抜きをするように、少しずつ
エネルギーを解放させていく必要があります。

無理やり先を急ごうとしても、
容易に抑圧の扉は開いていかないでしょう。

大切なのは、自分の中の暴力的なエネルギーを
むやみに他者に向けず、自分で責任を持つこと。

あなたが被害者になったのには、
あなたの中に、加害者と同じエネルギーが
あったからだと鏡の法則では読み解きます。

元々そういうエネルギーがあったからこそ
引き合ったのであり、相手のせいで
こんな気持ちになった、というのは
正解とは言えないのです。

だから、まず相手がどうこう言う前に、
自分の中のそのエネルギーに責任を取るのです。

完全にそれができたうえで、
相手から押し付けられた痛みのエネルギーを
相手に返します。

これは、仕返しをするわけではなく、
エネルギーワークでそのエネルギーを
自分の体から引き抜いて、相手に返すだけです。

私は自分の気持ちに完全に責任を取る。
だから、あなたも自分の気持ちの責任を
引き受けるように。あなたに押し付けられた
エネルギーを返します。と宣言します。

このようにして、虐待の連鎖を
断ち切ることはできます。

相当に苦しいことかもしれませんが、
少しでも相手のせいだと思う限りは、
このエネルギーのセパレートは完了しません。

自分の内に生じた感情は、きっかけが何であれ、
自分自身が引き受けるべきもの。

他者の内に生じた感情も、同様に
他者の責任のものなのです。

このあたり、心情的に受け入れ難いという方も
あるでしょうが、これができると、
被害者で居ること、加害者になることの
苦しみから解放されるのは確かです。

誰かや何かのせいにしていた方が
楽な時もありますが、
本当に晴れ晴れとした人生を生きたいのなら、
やるべき価値はあると思います。

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