私はセッションでも投稿でもよく、
自分自身の真の力を取り戻すことと、
その力を正しく使うことについて
お話しています。
この二つは車の両輪のようなもので、
必ず同時進行で両者が整うことが
必須です。
なぜなら、
自身の力を失うことの奥には
しばしば力の誤用の記憶があるので、
それがある状態では、再び力を
誤用してひどい目に遭うかもしれない
と言う恐れが邪魔をして、
力を取り戻すことに抵抗が生じる
からです。
では、力を正しく使うというときの
「正しさ」とは何なのかという命題が
生まれます。
私なりの考えを述べるとすれば、
我欲で使わないこと。そのために、
ハートの導きとともに使える在り方
ができるよう、セッションでは
導いていきます。
頭で考えた正しさは、
常識とか良識、社会的規範、善悪
等の概念に照らして判断されますが、
それが必ずしもその状況に置いて
本質的に調和するものなのか、
判断するのは至難の業です。
けれども、私たちには幸いなことに、
その本質的な調和を知っているところが
あるのです。
人によって、いつもそれを使って
生きている人もいれば、その部分が
深く眠っていて、あまり使われて
いない方もありますが、
でも、使っていようがいまいが、
私たちの中には叡智が宿っており、
それは確実に本質的な正しさを
知っているのです。
それは感情レベルでもマインドレベル
のものでもありません。
頭の思考の外にある感覚で知るものなので、
いくら考えてもわからないでしょう。
この感覚を取り戻すことも、
自分の真の力を取り戻すことの
プロセスの一つに含まれてもいます。
自身の力や直観力をうまく使えない人は、
根底には自己不信があります。
人生で最も信用、信頼できないのが自分
と言う状態のことですね。
ダメな自分を心底味わう出来事があって、
自分に愛想をつかし、自分なんて
信じるに値しない、と見限っているのです。
そうなると、自身の深奥からやってくる
導きや直観力とは切り離されて、
人生の羅針盤を失うことになります。
自分がどう生きたらいいかわからなくなって、
自分以外の賢そうに見える人、頼れる人を
求めて、その人に依存するようになります。
そうして、
自分の力を引き出すこともできず、
その人がいなければ何もできないような
人間が出来上がっていきます。
そういう関係性においては
必ずパワーゲームが生じます。
どちらかが一方的にコントロールする側
というのではなく、両者は互いに
コントロールされたりしたりの
共依存関係です。
如何に相手を自分の都合の良いように
使えるか、水面下の壮絶な駆け引きが
行われるわけですね。
こうなると、自分の裁量で自由に
力を発揮することはできなくなって、
様々な制限の中で生きることになります。
人生のある時期に、こうした関係性を
心地良く感じることはあるかも
しれませんが、遅かれ早かれ、
卒業を促す人生からのお知らせは
来るでしょう。
深いところで、
自身の力を発揮するよりも、
無力でいた方が良いという選択を
している人も少なくないのですが、
その多くのケースで本人には
自覚がありません。
深く掘り下げて行って初めて、
そうだった！と気づくことが多いですね。
そういう選択をしていると、
どれだけ力の誤用の傷を癒そうとしても、
そのことに気付くまでは、結局
無力な自分に戻ってしまいます。
口先だけ、頭だけではダメなのです。
表面意識では認識していないような
奥深いレベルの本音を知らなければ
なりません。
こういうレベルに向き合う時に、
自分の真実に真摯に対峙し、コミットメント
できるかが大きく道を左右します。
自分が本当に対峙できているのかいないのか、
それがわかる感性が必要です。
ここがしっかり定まっていると、
必ず傷は癒えていくし、
真の力を取り戻し、正しく使う自分に
なることもできます。
ただ、本人の決意のみなのです。