先祖の生きた時代とこの国の歴史

今日は家系図作成作業の中で
色々気づくこと、感じることが
あったので、これについて
書いてみます。

先日取ってきた先祖の戸籍、
今、読み込み作業をしています。

今の戸籍は活字でとても読みやすい
のですが、昔の改製原戸籍は手書きで
崩し字や癖字、ノイズが多々あって、
ものすごく読むのが大変です。

戸籍を取ってくればすぐに
家系図が書けるなんて簡単に思っていたら
大間違いです。

そこからが勝負、なところがありますね。

で、色々親戚関係のつながりを書き出して
生年月日、没年月日、住所、転籍の記録、
誰がいつ届け出を出したのか、など
書き出していきます。

結構昔の戸籍でも、没年月日のところに
時間まで記載されているものもあり、
そこから色々推測できることもあります。

例を2つ挙げてみます。

母方の戸籍を読んでいた時に、
曽祖父の没年月日、住所を見て
はっとすることがありました。

そこには、昭和20年3月10日日時不詳、
浅草区今戸…の記載がありました。

この日付と場所、わかる人には
すぐにピンとくる情報なんですよね。

浅草区今戸というのは、
現在の浅草寺のある浅草よりももう少し
隅田川の上流側、待乳山聖天がある辺り
になります。

昭和20年というのは終戦の年、
そう、3月10日というのは、
東京大空襲のあった日なんですね。

まさにこの辺り一帯が火の海になり、
一夜にして10万人が亡くなったという
悲劇の日なのです。

日時不詳となるのも、さもありなん、
死亡届を出したのは5男である祖父
の記録でしたが、そもそも祖父は
曽祖父の遺体を確認できたのだろうか、
と思いました。

できていたのだとしたら、
悲劇ではあるけれど、まだ幸いだった
と言えるでしょう。

東京下町一帯が焦土と化し、
そこら中に炭化した「元人間であったもの」
が無数にごろごろしていたわけです。

防空壕に逃げ込んだ人たちも、
そこで蒸し焼きになった状態で
発見されたとか、

猛烈な火に追われて、隅田川に飛び込んで
亡くなった人たち、その上を渡って
逃げた人たちの話も聞いています。

まさに自分の先祖が
東京大空襲の犠牲者の一人だったとは、
この戸籍を見るまで知りませんでした。

それから、祖父の一番上の兄ですが、
亡くなったのが大正11年5月、
麹町区隼町東京第一衛戍(えいじゅ)病院
とありました。

普通、そこが病院であっても、
住所のみの記録なのですが、このときの
記録には珍しく病院名の記載があり、
22歳という若さで亡くなっていることから、
戦争で亡くなったのかな?と思って
この時代と病院を調べてみました。

年代から、最初は日露戦争かと思いましたが、
日露戦争の終結は明治38年9月ですから
あてはまりません。

大正時代に日本は戦争なんてしていたっけ?
と思ってさらに調べると、シベリア出兵
というのがありました。

なんか歴史の授業でちらっと聞いたことが
あったかも。。。なんて思いましたが、
大正7年8月から大正11年10月なので
まさにその年代に一致。

さらに、東京第一衛戍病院という特徴的な名前の
病院について調べてみると、これが
旧日本陸軍の医療施設で、主に軍人、軍属の
戦傷病者を対象とする病院でした。

現在は戸山に移転して、
国立国際医療研究センターとなっています。
知る人ぞ知る、今も昔もいわくつきの施設です。

が、その話はここでは省きます。

一般人も入院できたようではありますが、
この年齢と時代背景からして、
祖父の長兄は、シベリア出兵で従軍し、
ケガなどで戻ってきてこの病院で亡くなった
という可能性が高いのではないか、
と推測しました。

シベリア出兵には、日本からは
7万3000人が出兵し、3500名の戦死者、
極寒の環境による凍傷や病死も含めると
5000人に上る犠牲者を出したそうです。

いずれにせよ、
弱冠22歳の長男の死亡届を出した高祖父は、
どんな気持ちだったのでしょう。

こうした歴史的な出来事や数字は、
これまで私にとっては教科書で習う
記録上のものでしたが、

積み重ねられた数字の一つが、
まさに自分の先祖や親戚だったのを知って、
その時代を生々しく感じた出来事でした。

(写真はネットからお借りしました)

 

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