何もないスペースって、
とても大事です。
一見無駄のように見えるけれど、
何もないからこそ、
そこに生まれてくることができる
ものがあるからです。
既に何かで埋め尽くされたところには、
現れたくとも、現れようがありません。
たとえ現れることができたとしても、
それ本来の機能は働かないでしょう。
それは物理的な空間にも言えるし、
心の内側にも言えることです。
たとえば、
私がリーディングするときは、
じっと心を静めて、凪のようになった
意識のスクリーンに現れてくるものを
読み取るようにします。
最初に内側に向かってほしい情報など
問いを投げ、そのあと即座に意識の内の
凪のスクリーンをじっと見つめます。
そのときは、
あらゆる期待や願望も手放して、
完全にニュートラルな状態になるんですね。
少しでも期待や願望などが入ると、
それはもうマインドで作り上げた
偽のストーリーになってしまうので、
取り上げる価値のあるものでは
なくなってしまいます。
そういうものは、
凪の意識から生まれてきたものとは
感触が大分違うので、識別できます。
ニュートラルなスペースには、
純粋なバイブレーションが展開するが故に、
宇宙の意図のような奥深いものが
現れるのではないかと思っています。
昔、とても深い井戸には、
昼間でも星が映るというのを
どこかで聞いたことがあるのですが、
深い井戸の底に光が下りていく過程で
乱反射する短い波長の光が除かれ、
長い波長の光だけが見るようになる。
太陽の光よりも、星の光の方が
波長が長いので、深い井戸に星の光が
見えるというわけです。
これと同じように、
ノイズのないクリアな深い意識の
スクリーンほど、宇宙の奥深い意図の
バイブレーションが映るのでしょう。
リーディングをしているときも、
最初に捉えた像からさらに意識を静め、
深くしてじ～っとチューニング
していくと、
さらにそのものごとの一段二段深い
因果が見えてきたりします。
それは肉眼で、手元から遠くに
ピントを合わせていくような感じで、
見えてくるものを受け取っていきます。
だから、イメージで作るのとは
違うんですね。
話は少しそれましたが、
スペースが大事なのは、
宇宙の意図がクリアに表れる
スクリーンとなるからです。
自身の意識にスペースがあれば、
宇宙の調和のバイブレーションで
自分を満たしたり、
チューニングして不調和を調和に
調整し直したりすることが
できるでしょうが、
そこがマインドの意図や思いで一杯だと、
その作為に満ちたストーリーで
意識が埋め尽くされ、非常に混乱します。
けれども、私たちの多くは
日常がほぼその状態になっていて、
それが普通と思って自分が
混乱していることに気づかないことが
ほとんどかもしれません。
マインドの作為に満ちた意図から
行動するのと、スペースの意識から
行動するのとでは、その質感が
大分異なります。
後者の方が無理がなく、
結果も自然に調和したものに
なっているでしょう。
外側も心の内も忙しい現代人に
必要なのは、空っぽのスペース
ではないかな、と思うのでした。