スピリットの愛

感情解放のワークでは、出来事の差し出しているメッセージを読み解くことをやりますが、どんなものごとも、それに応答できない限り同じようなことを繰り返します。もういい加減おまけしてよ、というのはないんですね。法則だから仕方ないという見方もできますが、私はそこに「魂の深い愛」を見るのです。

誰しも、人生を振り返ってみれば、色々な出来事の中にいつもこのテーマがあった、という課題を持っているものです。仕事や恋愛、家族関係など、場面と人は様々に変わるけれど、根本を突き詰めていくと同じものが出てくるというテーマですね。

それが嫌で、どうにかしてそれが起こらないようにと努力をするのですが、根本的にそれらの出来事が差し出している課題に応答していなければ、クリアにはなりません。

私たちは、何か「問題」と思えることが起こると、その問題自体を何とかしようとすることが多いと思います。けれど、出来事の差し出しているメッセージというのは、ほとんどの場合、その問題自体を解決しなさいということではないのです。

どういうことかというと、その出来事によって浮上する気持ちを癒しなさいということだったり、それを招いてしまった根本的な自身の要因に対処しなさい、そしてその先に在る「ギフト」を受け取りなさいということが本題なのです。

たとえば、「愛されていない」という淋しさや孤独を自分ではどうにもできずに持て余していて、それを埋めたいが故に少しでも自分を愛してくれそうな人、自分の側にいてくれる人、少なくとも、何らかの形で自分を必要としてくれる人と依存関係を構築してしまうという人がいたとします。

その人は、なぜかひどいDVを受けたり騙されたりするような人ばかりと恋愛関係を持って、いつも心身ともにきつい状態だったり、経済的にも苦しい状況だったりするのですが、誰がどう見てもためにならない関係を断ち切ることができずにいます。

こんな場合、単に表面的に相手と別れればいいとか、人を容易く信用しないように気を付けるとか、そういう表面的な部分を解決できればいいというわけではないのです。

なぜそんなことになってしまっているのかと言えば、自分で受け止めなければならないはずの孤独や淋しさを、誰かや何かで埋めようとしている心の在り様が、絡み合った依存関係を構築してしまう原因です。

その自身の在り方を変えていくことを、魂は呼び掛けているのですね。この先も、そんな在り方を続けていくのか?それは本当に望んだ在り方なんだろうか?遠い昔に諦めてしまった「本当の望み」を、もう一度思い出してごらん、と。

本当の望みを思い出すことは、確かに辛いことかもしれません。思い出したと同時に、数々の失望の痛みも復活するからです。けれど、そこから逃げていては、また地獄に舞い戻るだけです。

本当に深く決意したとき、私たちにはこうした深い傷も、癒していける道がちゃんと開けていきます。その方法を見つけたり、サポートしてくれる人との出会いがあったりといった具合に、恩寵が人生に流れ込むんですね。

けれど、そのプロセスも容易くはないかもしれません。その決心が本物なのかどうか、繰り返し問われて行くからです。

ちょっと進んでは壁にぶつかり、悩み苦しみながらも諦めずに進んでいくと、その先に思いもしなかったようなギフトを見つけて心を震わせ、そしてまた壁にぶつかり、新たな問いかけが投げかけられるといった具合に。

本当に真摯に向き合う人は、その一歩一歩のプロセスに、魂の深いところでは命の導きを感じているだろうと思います。そのとき、私たちは自身の深奥にいます神と対話しているのです。

誰にも代わりのできない歩みの中で、一対一で、神と対話するのです。

その歩みがどれほど尊く貴重なものであるか、あなたがその道を行くとき、はっきりと分かるでしょう。

人間目線から見れば、苦しいことはできるだけ少なく、素晴らしい人たちと楽しく過ごせて行けたら最高だと思うでしょう。けれど、魂のレベルから見ると、決してそれだけが最高の人生とは限らないのです。

魂は、常に私たちがより大きな愛に目覚めていくことを望んでいます。そしてそのためには、一見不幸としか言いようのない出来事さえも、自身に課すことがあるのです。

どうしようもなく苦しみの中で我を見失ってしまうこともあるでしょう。そのように私たちが自身を見捨てたときにさえ、スピリットは私たちを見捨ててはいません。その状況の中で、あなたが気づき、呼びかけに応えてその壁を超えていくのをじっと見守っているのです。

私たちがいくら世を恨み、拗ねたとしても、この根競べでスピリットに勝つ見込みはありません。それはときに非情とも思えるほどの試練を課しても、何としてでも私たちにさらに深い愛のレベルに到達させようとします。

私たちには必ずそれができるということを、露ほどにも疑っていないのです。

それほどまでに、私たちは自分を信じているでしょうか?私たちがスピリットの根競べで勝てない理由がそこにあります。

絶対的に、愛の深さが違うのです。

人間目線での愛でスピリットを測ろうとしても、決してその真意は理解できないでしょう。

あなたが、より深い愛に目覚めていきますように。

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