恨みや憎しみを解くカギ

感情解放ワークでは、自分の感情を誰のせいにもしないで責任を持って受け止めるということが一番の軸になります。誰かや何かのせいにしている内は、責任転嫁した相手に自分を不幸にする力を与え、自分を無力にさせ続けます。ですから自分の感情に責任を取ることは、自分を自由にすることでもあるのです。


自分の苦しみを誰かや何かのせいだと思うということは、自分が被害者になっているということであり、同時に加害者を作り出してしまっているということでもあります。被害者になるのが嫌なのであれば、加害者を作り出すのを止めなくてはなりません。

けれど、どう見ても相手のしたことのせいでこんなにも自分が苦しんでいると見えるとき、その苦しみの責任を自分が引き受けることに対して、ひどく理不尽であるように思えるでしょう。

感情の基本的性質の5番目の柱には、「社会的、道理的、法的責任は別として、自身の内に起こった感情の責任は100%自分で取ることができる」というものがあります。

逆に言えば、自身の感情の責任は取るにしても、「社会的、道理的、法的責任」を相手が逃れられるということではありません。そのことと、自分の感情の責任は別なのですね。

また気を付けていただきたいのは、頭で「これも自分のせいなんだ」と納得させて収めないことです。

肝心なのは、「相手のせいにしなければとても自分を保っていられないような苦しみ」のエネルギーをしっかり身体で捉え、心と体と魂で受け止めることです。これを頭で納得させて「自分の責任だ」と思うことは、却ってその感情を抑圧してしまうことになります。

ワークを実践されている方の中でも、「これは私の責任なんです」と口では言いつつ、実際にはその感情のエネルギーについては受け止めておらず、自分の中で分離させ、封じているだけの方をよく見かけます。これではワークを実践していることにはなりません。

どこにもはけ口がなくなる分、余計に苦しみは深く、出口のない迷路に迷い込んでしまったようになるでしょう。自分の責任だというからには、必ず行動を伴わせることが重要です。

責任転嫁は、ある意味、自分を守る防御反応と言えます。責任を引き受けるということは、そのようにして自分を守ることを止めるということです。そのことに本当に自分が同意しているのかどうか、見極めながら進めていかないと、ワークは空回りします。

そのために、よく自分と対話することです。どこまでなら今の自分にできそうなのか、どんなペースで進めたらいいのか、小さな子供を導くように、無理のないよう注意深く進めます。

被害者と加害者のテーマを解いていくには、まず自身の被害者としての心の痛みを受け止めます。ある程度それができたら、今度は「意識の移動」のテクニックを使って、相手の意識の中に入って、そのような行動をしてしまった動機の奥にある相手の心の痛みを受け止めていきます。

なぜ相手の痛みを自分が受け止めるのかというと、それは相手のものであるように見えて、実は自分の中に在る痛みを相手に投影して見たものだからです。つまり、ここで受け止めているのは、自分自身の痛みということになります。

この痛みこそ、自分と相手を引き寄せたエネルギーなのですね。両者に同じものが無ければ、その出来事は起こらなかったでしょう。

相手の中の痛みが解放されれば、相手はもう同じような行動をとろうとは思わなくなります。その状態で、相手があなたに謝罪してくるかもしれません。その謝罪をあなたが自然に受け入れられれば、この出来事によるわだかまりはきれいに完了されたことになります。

もう一度あなた自身の身体に意識を戻して、相手を見てみたときに、あなたの中の相手を許せないという怒りや恨みは感じられるでしょうか?もしまだ残っているようなら、まだやるべきことが残っています。

相手の謝罪に誠意が感じられないとか、相手はまだ私の苦しみを分かっていないようだなどと見えるようなら、再び相手の意識の中に入って、あなたの苦しみをしかと感じ、受け止めるというプロセスを行います。

よく、私たちは相手に苦しい目に遭わされると、相手にも同じ苦しみを味あわせてやりたいと思うものです。「こんなにも私は苦しかった。お前は自分のやったことが分かっているのか?」と、分からせたいのですね。

恨みや憎しみは、相手に味あわせた苦しみを本人が本当に理解したうえで謝罪されないと、解いていくことはできないのです。自分が許してもらいたくてする口先だけの謝罪は、相手のためではなく、ひとえに自分が楽になりたいがためのものであり、恨みを解く力はありません。

向き合うことは辛いかもしれませんが、その先に、永遠にわだかまりが解かれた心の平安があります。

誰かを恨むことになってしまった自身の中には、かつて反対の立場で誰かを苦しめてしまった責任から逃げてしまった自分がいるのでしょう。このようにして因果は巡ります。

加害者、被害者は、どちらにも向き合うべきものがあります。まずは相手を責める前に、自身の責任を引き受けていきましょう。

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