感情をエネルギーとして捉えることの利点

感情をエネルギーで捉えるということを習慣にしていると、だんだん感情の飲み込まれることが少なくなっていきます。感情を「対象」として、それに気づく「主体」という意識のポジションになるので、主体であるはずの意識が対象と一体となって自分を見失うということがなくなるからです。このポジションでいることには他にも色々な利点があります。


その利点の一つが、感情を個人的なストーリーとして捉えなくなり、何かや誰かを判断、ジャッジすることが少なくなってくるということです。

どういうことかというと、たとえばあなたが誰かに何かを言われて、とても不愉快な気分になったとします。通常であれば、その不快感に飲み込まれて相手の人を「なんて嫌な人なんだろう。あの人の人間性を疑うわ。まったく、本当に非常識な人だ」などなど、不快感にかき立てられた思考が延々とグルグル頭の中を巡るでしょう。

そして、「私を不快な気分にさせたあの人が嫌い」となっていくかもしれません。こうして、その人に対してわだかまりを抱えるようになります。

けれど、ここでワークの要領でその不快感が自分の中に浮上していることに気づけると、「私を不快な気分にさせたあの人」という部分は、単に「あの人が私に何かを言った」→「不快な気分が私の中に浮上してきた」という別々のこととして捉えられるのです。

つまり、「あの人のせいで不快になった」という関連付けが、全く消えるとは言いませんが、相手のせいにしないで捉えられるようになってきます。

同じように言われたとしても、あなたと同じように感じない人もいるかもしれません。けれど、あなたはとても不快に感じたのですね。その違いはどこにあるのかというと、相手にあるのではなく、あなた自身の中にあります。ということは、あなたの中に対処すべき要因があると見ることができます。

自分の感情の責任を自分で取るというのは、こういうことです。

よって、自身の感情の責任を取らない状態で、出来事についてあれこれ論じるのはナンセンスです。そうしたやり取りは、そのものごとを進展させるようにはならないでしょう。なぜなら、結局のところそれは、双方が自身の感情の留飲を下げたいという目的で行っていることなので、鏡の法則からかみ合わうことはあり得ず、平行線となるのが落ちだからです。

ワークは、「あの人がこんなことをしたから私がこんな思いをしている。あの人のあのやり方はどうなんだろう?」などといったストーリーとして現実を見てしまったとき、成立しなくなります。

そのように、ストーリーの中に巻き込まれた瞬間、自分の中心から離れ、内面を映し出した鏡の像の中で、実体のない戦いを挑んで右往左往しつつ、空回りするのです。心も身体も置き去りにして、頭だけがクルクル回っているでしょう。

これ故に、自身の「感じているもの」をしっかり捉えることが重要なのです。

けれど、私たちが感じるものは、必ずしも常にはっきりととらえやすい感覚や感情ばかりではありません。ぼんやりとして捉え難いものも多いものです。それでも、「捉え難い」という感覚自体をそのままとらえていればいいのです。むりやりはっきりさせようとする必要はありません。

はっきりしないということ自体が、あるがままの自身の状態を表しているのであり、それを認識することによって、次に何をすればいいのかということが導かれるからです。ここで無理やり自分が追い求める「理想の形」にしようとしてしまうと、その導きが違うものになってしまいます。

うまくとらえられないときは、まずはそのまま深く呼吸をして、その感情のエネルギーに命のエネルギーを送ってあげます。ちゃんとそれに触れられていれば、何かしらの変化が起こってきますし、そうでないなら、触れられていないと判断できます。

後者であっても、それ自体が「悪い」ということではなく、単に「今そういう状態にある」と認識できればいいわけです。よく、こうした状態をネガティブに捉えて抑圧し、無理に先に進めようとする方がありますが、これでは余計にこじれてしまいます。

どんな状態もあるがままに捉え、状況なりの対処をしていけばいいのです。このとき、「状況によって浮上した自身の感情」に気づけるかどうかが、適切な対処ができるかどうかの分かれ目になります。

だからこそ、ワークは常に自身の感じているものから離れてはならず、気づいている必要があるのです。

感情解放のワークでは、感情の基本的性質の一番最初に、「感情は善悪のないエネルギーである」という項目があります。浮上した感情それ自体に、良いも悪いもないのです。頭では分かっていても、実際に不快な感覚が浮上してきたとき、私たちは瞬間的に「良くないものだ。変えなくては!」としてしまうのです。

感情や感覚が浮上してきた瞬間に、自分がどんな反応をしているか、注意深く見ていくと、気づくことがあるだろうと思います。

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