ものごとの捉え方を変える

私たちは、何か嫌な感情が呼び起こされる出来事が起こると、それ自体を収めようとして、外側の相手や状況自体に働きかけます。それが不快感の原因だと思っているので、それさえなくなれば穏やかな気持ちでいられると思うからです。けれど、感情解放のワークを習慣にしていると、そういうものごとの捉え方自体をしなくなっていきます。出来事はすべて、自分の中に在るものへの気づきを促すサインだと捉えるので、まず内面の原因を見るようになるからです。

自身の不快感の原因を外側に求めると、どうしても相手や状況と格闘することになります。相手をコントロールしようとしたり、絶望的な状況を変えようとして無理を重ねてしまうかもしれません。

「相手が私に優しくしてくれれば」「この状況が解決すれば」、私は楽になれると信じているので、その苦しみが深いほどに相手や状況に対する要求は切実で、そこに執着します。

そして何度も何度も失望を味わうことを繰り返して、ついには幸せな人生自体を諦めてしまうのです。

このような状態になっている人は少なくはありません。多かれ少なかれ、誰しもこうした諦めを持っているのではないでしょうか。

けれどそうした状況は、あなたが決して幸せになれないと烙印を押しているのではなく、ただ努力の方向性を少し変えてみるように、というメッセージなのだと思います。

けれど、私たちのものごとを捉える目は容易に変わりません。目の前に喫緊の問題が迫っているのに、そんな悠長に自分に向き合うことなんてやってられない!まずは現実を何とかしなくちゃ!と駆けずり回るのです。

セッションなどでもこうしたことを繰り返しお伝えさせていただくことは多いのですが、ストン!と一度で入っていく方は稀かもしれません。方向転換さえできれば、今すぐにでもその課題は流れ始めるのに、焦りと恐怖で一杯の心には響かず、零れ落ちて行ってしまうのは残念なことです。

「懸案と見えるもの」に対処する方法は一つではありません。

それ自体を「解決」する方法と、もう一つは、それを懸案と見る「捉え方を変える」という方法があります。感情解放のワークは後者で、見方を変えると、結果的にエネルギーの流れが変わり、いつの間にかそれ自体が自然に解決しているというものごとの流れ方をします。

私たちは自分ではどうにもならない出来事に翻弄され続けるだけの、無力で受け身の存在ではなく、瞬間瞬間、自身の意識によってこの現実を創造し続けている創造者としての側面を持ち合わせています。

頭ではそのことをどこかで聞いたことがあって知っているという方も多いと思いますが、実際に意識的にそういう生き方をしているかと問われれば、なかなか実践にまでは行っていないのが現実ではないでしょうか。

私たちの意識はそれ自体エネルギーを持っていて、その意識の向け方、使い方で様々な現実を創造します。

ものごとの捉え方を変えるというのは、その現実を創造しているエネルギーの当て方を変えるということに等しく、そうなれば当然現実は変わっていきます。

以前、知り合いのとある演劇のワークショップに参加したとき、面白いワークをしました。

ペアになって、相手がカバンからものをひとつひとつ取り出して、出したものをまたしまうというだけの動作を、ある前提をもって見るのを2回するというワークでした。1回目は、相手は自分の恋人を誘惑する恋敵だと思って見ます。2回目は、相手を憧れの先輩だと思って見るのです。

1回目は憎き恋敵ですから、カバンからちょっとかわいい小物を取りだしただけで、「かわいこぶっちゃって!すました顔して、しらじらしい!」と、何を見てもイライラして好意的に見られません。

1回目は大好きな憧れの人なので、持ち物すべてが「さすが先輩!どれもセンスが良いし、どんな仕草にも品があって素敵!」と、すべてが称賛の対象になるのです。

相手は全く同じ動きをしたにすぎないのですが、私の捉え方で、こんなにも体験する現実が違ってしまうのです。そのワークはそこまででしたが、もう少し考察を続けるなら、相手の方の感じ方や応答の仕方も、2つのパターンで随分と違ってくるでしょう。

好意的に接してこられたら、自然ににこやかに態度も柔らかくなるでしょうし、いちいちトゲのある視線で見てくる人に対しては、当然「何この人?」と不信感と警戒心、トゲのある態度で返して来るでしょう。

このようにして、私たちは自身の現実を自ら脚色しながら毎瞬、創造しているのです。

そしてその脚色の大きな要因となっているのが、私たち自身の内に浮上している感情のエネルギーです。不快な感情を呼び起こした相手にはトゲのあるフィルターを、心地よい感情であれば好意的なフィルターをかけて現実を創造しているというわけです。

実際にはこれはとても微妙なレベルで起きていて、相手を悪く思ってはいけないなどという抑圧思考により、自分でも気づかずにやっていることが多いので、「私はそんなに相手を悪く思っていないわ!」と否定する方もあるでしょう。

認識しているレベルではそうかもしれませんが、私たちは自身の意識のすべてを把握しているわけではありません。気づきたくないものは見えないのです。

外側を変えるより、内側を変えた方が無理なく自然で、ずっとダイナミックな変化が起こります。

さて、あなたはどちらの方法を選ぶでしょうか?

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