際限のないニーズとコントロール

私たちはしばしば、
相手を意識、無意識的にも
コントロールしようとしてしまう
ことがあります。

そうしたコントロール自体、
すべて悪いものだとは思いませんが、
その動機が自分自身の欲求を満たすため
ばかりだと、コントロールされる相手も、
非常に息苦しくなってしまいますね。

たとえば、
親が子供をコントロールすることは、
ある部分では必要なことだと思います。

人間生活の基本的なところを
教え導く必要はありますし、
様々な危険から守ってやらねばなりません。

健康の面でも、健やかに育ってほしい
というのはすべての親の望みであり、
できるだけ健康的な食生活や、
運動習慣を持ってほしいと思うでしょう。

けれど、時にそうしたコントロールに
自分自身の不安や満たされない部分を
相手に満たしてもらおうとして
強烈になされるコントロールが潜んでいる
ことがあります。

それは、親子間だけではなく、
パートナー同士とか、友人関係など
あらゆる人間関係の中で頻繁に見られるものです。

たとえば、
自分の劣等感や無価値感や無力感を
埋めたいがゆえに、子供にはどうしても
一流大学を出て一流企業に就職させたいとか、

自分の孤独や淋しさを埋めるために、
恋人を強烈に束縛したり、
自分への愛を試すような行動をとったり、

自分が不安にならないように、そして
自分が外で恥をかかないように、
子供にはお行儀良く、きちんと振舞うよう
度を越して厳しく躾けるとか。

まぁ、色々ありますね。

そうして、
相手が自分の思うようにならないと、
ひどく辛い気持ちになって、
自分が不幸なのは、子供か、パートナーが
誰かが思うようにならないからだ、
というように考えて、

ますます強く当たるか、
自分を幸せにしてくれない相手に
理不尽な憎しみや恨みを募らせるのです。

こう書き出してみると、
それは全くお門違いの恨みなのですが、
けれども、世間一般ではなぜか、
願いを叶えてやらない奴が悪いのだ
という風に取られることがあります。

その人が生き辛く苦しいのは、
相手のせいではないですし、
根本的に、その人を幸せにできるのは
本人しかいません。

けれども、相手のコントロールを受け入れ、
どうにかしてその人に幸せになってもらおうと
一生懸命努力する子供やパートナーの場合、
どうやっても相手の心を満足させられないことに
深い絶望と無力感を味わうことが多くあります。

自分自身を満たすことをせずに
相手が自分を満たしてくれるように
ありとあらゆるコントロールをしてきて、
その人は、どんなに尽くされても、愛されても、
捧げられた気持ちを受け取れないのです。

永遠に満ちることなく渇き続けるその人の心は、
その人自身によってのみ、満たすことができます。

けれども、そのことに本人が気づき、
在り方を改めるまでは、
心の飢餓地獄を歩むしかないでしょう。

不思議とそういう人に引き合うのは、
同じ心の渇きを持った人です。

淋しさや悲しみ、孤独を抱えた人は、
同じようなものを持った人に
引き合いますし、

無力感や無価値感、惨めさを抱えた人は、
やはり同じものを持つ人と引き合うのです。

そうしてお互いに、自分が埋めてほしいものを
相手に求めてパワーゲームを繰り広げますが、
結局そのゲームに、勝者はいないのです。

どちらがどれだけ損をしたのか、
私はこんなにやってあげたのに、
あなたはこれだけしかやってくれない
などと言って

やっぱり埋まらないニーズを見ては、
もっともっとと、心の渇きは
やむことがありません。

そういう構図の関係性は、
実は自分自身に対しても起こることがあります。

理想の自分になれば、
私は幸せになれるんだ、と思って
際限なく自分への要求をヒートアップ
させていく人はまさにそれで、

高すぎる理想にいつまでも到達しない
自分自身に、やがては失望し、怒りを覚え、
憎んでいることがしばしばあります。

そういう人は、
自分にも周囲の人にも同じことをしているので、
世界は自分の望みなど絶対に叶わない
絶望の大地となって、苦しい人生を
歩んでいます。

どこで、その際限のないニーズから離れて
自分自身の内から溢れてくるもので
自分を満たすことができるのだと気づき、
そういう在り方をするようになるかが、
その地獄からの脱出のキーになるでしょう。

要は、自分自身と和解し、自分に帰ること
が必要なのですが、こういう人に限って、
自分が嫌いで憎んでいて、最も信頼
できない存在が自分なのですよね。

そういう自分自身への眼差しこそが、
ぬぐいがたい孤独や淋しさの原因なのですが、
その眼差しを、温かく慈しみに満ちた
ものにすることができるかどうか。

どうぞ、人との間に愛を育むように、
自分との間に、愛を育んでみてください。

最初に燃え上がって小さくなる衝動ではなく、
愛はじっくり育んでいけるものです。

少しずつ、ゆっくり育むことで、
あなたの世界は、穏やかにやさしいものに
変わっていくでしょう。

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